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hakoda について

1972年新潟県生まれ。『月刊BIG tomorrow』『Discover Japan』『週刊東洋経済』等で、働き方、経営、ライフスタイル等に関する記事を寄稿。著書に『図解&事例で学ぶイノベーションの教科書』『クイズ商売脳の鍛え方』(共著)、『カジュアル起業』(単著)などがある。好物は柿ピー。『New Work Times』編集長心得。

鉄道模型じゃなく、鉄道模型の「楽しさ」を売りたい。(前編)

東京、秋葉原。「電気街」「ITタウン」「サブカルの聖地」「メイド喫茶の集積地」「江戸っ子の町」――。
玉虫色に輝くこの地で働くあの人は、
なぜココを選び、どんな思いでシゴトしているのだろうか。

Vol.2 太田和伸
(新品・中古Nゲージショップ 株式会社ポポンデッタ代表取締役社長)

二つの顔を持つ男。

太田和伸さんには、二つの顔がある。

一つ目の顔は「税理士」。秋葉原、昌平小学校の裏に立つやたらモダンなビルの5階に事務所を構え、実直な人柄そのまま、誠実かつ正確に顧客のキャッシュフローに目を通す。

二つ目の顔は「鉄道模型専門店『ポポンデッタ』のオーナー」。税理士事務所の下全部、1~4階に店を構えて、中古・新品のNゲージを中心にした鉄道模型を販売している。

「『税理士の道楽では?』なんて言われる時もあるんですけど、鉄道模型の販売の方がいってしまえばキャリアは長い。元もと僕の夢は鉄道模型店のオーナーでしたからね」

その夢を太田さんは少しずつふくらませつつ叶えてきた。何せ11年前の創業から順調に店舗数を増やし、今や愛知、京都、茨城など、各地の大型ショッピングセンターに13もの直営店を出店している。

人気のひとつは、すべての店に設置した「レンタル・レイアウト」だ。レイアウトとは精巧なジオラマで飾られた小さな街に走る線路のこと。来店客は持ち込んだ鉄道模型をこの線路で存分に走らせられる、というわけだ。

「税理士としての視点で見ると、アウトなんですけどね。コストがかかりすぎる。線路を引くよりも、売り場を増やしたほうがいい。けれど、鉄道模型好きの僕が『ただ売る場所にしたくない』と言う。ここは鉄道模型じゃなくて、鉄道模型の楽しさを売る場所なんです」

「かつての自分」を相手にした。

鉄道模型の「楽しさ」。自らそれを知ったのは、ずいぶんと小さい頃だ。

1971年生まれの太田さんは小学生くらいまでNゲージにハマっていた。70年代のブルートレインのブームなどもあり、当時の子供には王道だった。しかし中高生になると、自然とその趣味から離れた。いつしか趣味はスキーやその他になった。これまた当時の王道だった。

「女の子に好かれるような趣味じゃない――。色気づいたばかりの頃って、男はそんな価値観で動くものじゃないですか。あの頃って、まだ鉄道模型にはそんなイメージがあった」

復活のきっかけは、大学4年のある日、玩具屋の閉店セールでNゲージの山に出くわしたことだ。バイトで自由に使える収入も増えていた。そろそろ好きなものを「好き」といえる自我も手にしていた。半額以下に下がっていた常磐線や東海道線、かつて欲しかったNゲージ車両をごっそりと買い込んだ。

モダンな自社ビル。最上階が太田税理士事務所で、残りの1~4階が『ポポンデッタ』。電車型自販機が気になる


「友達のコレクションを指をくわえて見ていた過去を思い出したのかも」

このカムバックが起業につながる。気になり出してNゲージの市場まわりを調べると、量販店の隆盛で、街の模型店がどんどん潰れていた。また当時流行っていた個人売買情報誌を眺めると「Nゲージをやめるので、コレクションを売りたい」という人が多いことを知った。ようするに、格安で中古Nゲージの“いいタマ”が大量に市場に出まわる条件が揃っていたわけだ。

「一方で、僕のように『チャンスがあれば、また鉄道模型をはじめる』という潜在的なニーズが高いと感じていた。両者をマッチングしたら、儲かるんじゃないか? そのうえ、効率的に自分もコレクションを増やせるんじゃないかと思ったわけですよ(笑)」

予想は的中。まずは鉄道雑誌に「Nゲージ、買います!」と投書している人向けに中古Nゲージの在庫を記した通販のダイレクトメールを送った。すると一回のDMで十数万円の利益があがった。その後、パソコン好きだった弟の手を借りて、インターネットサイトもスタート。サイト名は『ポポンデッタ』。飼っていた熱帯魚の名を屋号にしたのは、未だひっかかっていた、アレがあったからだ。

「いかにも鉄道模型やNゲージを匂わす名前には、ちょっと抵抗があった。やっぱり彼女や奥さんに胸をはって言えないイメージがまだあって(笑)」

最初の店は渋谷だった。

サイト運営をしながらも、本業の道は税理士だと思っていた。

『ポポンデッタ』を立ち上げた頃は、大学を卒業して税理士の勉強中。その後、合格すると、しばらくは神田にある祖父の税理士事務所に籍を置いていた。

「祖父が税理士だったことがそもそものきっかけ。けどやってみるとおもしろいんですよ。会計や税が分かると、それまで単なる数字だったものが、急にいきいきとみえてくる」

ただ夢はやはり「鉄道模型の実店舗をつくること」だった。Nゲージがあり、レイアウトもあって、鉄道の関する本も置いてあるような『鉄道のワンストップショップ』。そいつを創りたい思いがあった。

レンタル・レイアウトはすべて手作り。とくに他店にあるものは太田さん自らが自宅で作成している


実は当時、ネット通販だけで月100万円を売り上げるようになっていた。「鉄道模型を復活したい」。そんなニーズをまず拾えた。加えて、中古の状態をA~Eの格付け評価で記したことで、既存のマニアたちの支持も得た。当時はまだこうした評価をオープンにする中古通販はほとんどなかっため、「信頼できる店」と噂になっていたからだ。

「鉄道模型にはチャンスがある……」。ただモチベーションは、それだけじゃなかった。

「鉄道模型と出会う場、再開する機会が、本当に減っているんじゃないかと思い始めたんです。だから、うちのような店にも多くのアクセス、お客さんが集まるんだと。そう考えると、ただ商売するというより、鉄道模型の文化をもっともっと次の世代に残していかなきゃいけないんじゃないか、なんて使命感めいたものも芽生えた。だから場が欲しかった。気軽に鉄道模型に触れられ、楽しめる場が――」

チャンスは突然やってきた。税理士としての顧問先から、「自分のビルが開いたから、太田くん、事務所を開かないか?」と誘われた。自分を見込まれて格安の家賃を提示された。

「『ぜひ!』と。ただ『実は鉄道模型店がやりたいんですけど…』って(笑)」

こうして2002年、『ポポンデッタ』の実店舗がオープンした。けど、そこは渋谷駅のほど近く。それでも、当時から秋葉原は、いずれ進出したい場所だった。

「だって秋葉原は聖地だから。僕たちみたいな鉄道好きにとっても」
~後編~に続く。

【働いている場所】

東京都千代田区外神田3-3-3 Rail Way BLD

新品・中古Nゲージショップ『ポポンデッタ』秋葉原店
定休日:毎月第3水曜日
TEL:03-5297-5530

http://www.popondetta.com/akihabara/index.html


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「何かやりたい!」学生たちに人気の社会貢献サイト

夏休みといえば、アルバイトやインターンシップに精を出すのが、学生の定番コース。
ただ海を越えたアメリカとなると、ここに「ボランティア」が加わり、またその割合も多い模様。NPOの活動や地域イベントにボランティアとして参加することで「環境や雇用などの問題解決に協力したい!」という学生が少なくないからです。
もっとも、そんな“強い思い”はあれど「何からやっていいかわからない!」という人は洋の東西を問わず多いもの。
そんな彼らの思いと、社会貢献活動をマッチングする、ユニークな社会貢献型ウェブサイトがアメリカで人気だそうです。
以下、greenz.jpより。

「Do Something」は、10代の若者をメインターゲットに絞り込み、社会貢献アクションやボランティア活動をサポートするオンラインプラットフォーム。「活動の主役はティーンである」がコンセプトのこのウェブサイトでは、「世の中のために、何か役に立ちたい」と考えている若者の好奇心を刺激し、自律的なアクションが促されるよう工夫されています。
「実際に、社会貢献活動をしたい!」というユーザは、「Act Now!」のページで、自分の興味・関心やスケジュールにあわせて、ボランティア情報を検索することが可能。1年といった長期の活動から1日限り、中には「One minute(1分)」というものまで、コミットできる範囲にあわせて、活動を選べます。
(中略)
また、「Do Something」のもうひとつの特徴が、「CLUBS!」。名のとおり、自分たちの社会貢献活動を「部活」にしてしまおうというもので、仲間を5人集めて、活動のアイデアがまとまったら、「Do Something」に応募して、活動をスタートさせるという仕組みです。「Do Something」に登録されている「各クラブ」の活動状況はウェブページで共有されているほか、毎週活動資金争奪コンテストが開催されるなど、クラブ同士で切磋琢磨し合えるような仕掛けも設けられています。

「活動資金争奪コンテスト」なんて仕組みづくりが、良いじゃないですか。
いずれにしても「楽しみながら、気負わず自然に社会貢献する」そんなムードやシステムが、もっと日本にも普及したら、得体のしれない「閉塞感」とやらも、ちょっとは緩んでくれそうですよね。
[greenz.jp]部活みたいにボランティアで青春!ティーン向け社会貢献サイト「Do Something」
http://greenz.jp/2010/07/30/do_something/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:+greenzjp+(greenz.jp)


メイドさんと丸の内OL 、そしてダース・ベイダーが秋葉原で「打ち水」する!?

いかにも夏らしい暑い日々が続く中、恒例となった秋葉原の打ち水イベント、『うち水っ娘大集合! 2010』が、8月1日(日)午前11時から秋葉原駅西口交通広場にて開催されます。
同イベントは、秋葉原で社会貢献を行うNPO団体「リコリタ」が7年前から実施する、地球温暖化対策啓発活動。アニメやマンガ、そして秋葉原が好きな同士たちが集まり、「秋葉原の街で打ち水することで、秋葉原を冷やそう!」というエコ・イベントです。
そもそもリコリタという名は「“利己”を“利他”にする活動」という意味でつけられたもの。その名の通り、自分たちの好きなことをすることで、社会のために役立つ何かをしよう、という実に健全なNPO団体です。
だからして、今回もメイドカフェのメイドさんたちが「打ち水っ娘」として大量参加。しかも彼女たちが持ち込む打ち水用の水は、各自のお風呂の残り湯、またはコスプレ衣装を洗ったときの残り湯など「一度使った水」の再利用という、いかにも利己=利他な、地球に優しく、かつ何となくうれしい趣向が凝らされています。
さらに丸の内で働くOLの方々や、横浜中華街のチャイナドレス姿の店員さんたち、そしてダース・ベイダーの衣装に身を包んで、山を登ることを趣味としている(!)第502重コスプレ大隊の「今日もベイダー卿」氏も参戦が決定。とくにベイダー卿は、山から湧き水を組んできてそれを秋葉原で巻いてくれるそうです。
帝国軍を率いてのダークサイドな活動から一転、クリーンかつエコロジーな働き方へとシフトチェンジさせる、というわけですよ。
いずれにしてもメイドからベイダー卿まで、すべてを飲み込む秋葉原。この街の雑多な魅力を、「打ち水」というエコな活動からも感じ取れそうです。
「うち水っ娘大集合!2010」
http://uchimizukko.chu.jp/


ノマドワーカーにオススメ? 透明マウスって何だ。

確かにiPhoneやiPadのタッチパネルは心地よい。官能的ですらあります。
しかし長文作成やプレゼン資料づくりといったシゴトでPCを使うとなれば「キーボード+マウス」のインターフェイスに軍配をあげる人は多いはず。
でも、あの本体からぴろんと伸びたコード、邪魔じゃないですか? ってことで、赤外線マウスが生まれたのですが、さらに一歩進んだマウスが登場したようです。
その名も「透明マウス」。
以下、『WIRED VISION』より。

MITの研究者たちが、ワイヤレスなコンピューターマウスからさらに進化した「透明なマウス」を開発した。
手のひらを丸い形にして机の上を動かしたりタップしたりすると、コンピューターはそれに反応する。
このプロジェクト『Mouseless』では、赤外線によるレーザーとカメラを利用している。プロジェクトを率いるPranav Mistry氏によると、実際に稼働する試作品は約20ドルで製作されたという。Mistry氏は以前、トム・クルーズの映画『マイノリティ・レポート』に出て来たようなインターフェース、『Six Sense』プロジェクトで有名になった人物だ。
実際に製品化される可能性はあまり無いだろう(現在のUIは、マウスによるポイント&クリックを超えたものになってきているし、マウス自体安いものなので、代替製品の必要はあまり無い)が、楽しいプロジェクトといえる。

と、『WIRED VISION』はシメていますが、カフェやロビーなど「どこでもシゴトをするノマド・ワーカー」なんかには、マウスを持ち歩かずともマウス操作ができるとなればら、それなりに需要がありそうです。
まあ、何もない机上で人差し指を「コツコツ…」なんて叩いていたら、やたらとイライラしている人、にしか見えなそうですが。
[WIRED VISION]「ワイヤレスがさらに進化、透明なマウス(動画)」
http://wiredvision.jp/news/201007/2010071220.html


「『秋葉原から来た』って、いわば『シリコンバレーから来た』に近いんですよ」(後編)

東京、秋葉原。「電気街」「ITタウン」「サブカルの聖地」「メイド喫茶の集積地」「江戸っ子の町」――。
玉虫色に輝くこの地で働くあの人は、
なぜココを選び、どんな思いでシゴトしているのだろうか。

Vol.1 安藤拓郎
(「漫画★全巻ドットコム」 株式会社TORICO 代表取締役社長)

古本屋を倉庫にする。

世界一周の旅に出たり、オフの日はサーフィンをしたり。いかにもアクティブな顔を持つと同時に、安藤さんは巣ごもりというか、ひきこもり好きの一面を持っていた。大学生の頃から、休日となると1日は海などに行ったが、あと1日は「プチひきこもり」生活を楽しんだ。

それは朝起きると同時に二食分の弁当と酒をまず買い込むことから始まる。あとは自宅から一歩も出ない。買い込んだ兵糧を傍らに、ひたすら漫画を何巻も通して読み、レンタルビデオを楽しむのだ。似たようなライフスタイルを好む人間が実は多いのではないか、と直感していた。

「だから最初はピザと酒と漫画を宅配で売ろうと考えたんです。引き籠もりセットみたいな感じで。いうなれば、ライフスタイルを売ろうと考えたんですよ」

けど飲食物を扱うのは許認可などが面倒だった。レンタル事業も同様だ。そして残ったのが「漫画」だった。

一方で、「全巻一気買い」が手間なことにも商機を感じた。まず陳列スペースの限られる書店では、よほどの人気作でなければ漫画作品全巻が揃っていることは希だ。アマゾンなどのネット書店ですら数巻は歯抜けである場合が多い。例え全巻セット販売をしていてもネット書店は、全巻買うには一冊一冊クリックする必要がある。例えば計135巻までリリースされている『ゴルゴ13』を全巻買うには135回以上はクリックする必要があるわけだ。

秋葉原店には第一巻を「試し読み」できるスペースも。実店舗ならではの仕掛けだ


「これは人気が出るだろうと自信がありましたね。しかも最初は古本を販売しようと考えた。注文が入ったら周辺の古本屋を回り、全巻セットを作って送る。つまり『僕らの在庫は古本屋だ!』と。在庫の山にはこりごりでしたからね。これが……成功したけど失敗で(笑)」

早速『漫画★全巻ドットコム』のサイトを立ち上げると、月2~3足しか売れなかった前月がウソのように注文が殺到した。立ち上げたのが2006年。ちょうど人気漫画『デスノート』が映画化された頃で、原作本が売れに売れていた。書店やネット書店でも売り切れ巻が続出。「『デスノート』を全巻揃えたい!」。そんなニーズが、全巻一気買いを売りにする安藤さんたちのサイトに集中したわけだ。

「サーバーがダウンとかそういう問題ではなくてですね、売れ過ぎているから、僕らの在庫置き場、要するに近所の古本屋なんかに『デスノート』が無いわけですよ」

アセって東京中を書けめぐり、結局、新品も寄せ集めて、何とかセットを作って販売した。古本屋を在庫置き場にする計画はもろくも敗れた。発注を待ってから動いていたら溢れる注文に間に合わない。とにかく日々、古本屋を巡り、どんどん在庫を増やしていった。セットを作れば売れる。作れば売れる……。中野の風呂なしアパートは恐ろしいほどの漫画の山が積もっていた。結局、再び在庫を抱えていた。

「奥にはたっぷりとスニーカーもあったわけですが(笑)」

とにかく読みは当たっていた。「休日にどっぷりと漫画を読みたい」。しかし「全巻買うのは手間だ」。そんなニーズをすくえたわけだ。今や年間売上は約10億円にも及ぶ。安藤さん自身は、マンガ大賞の選考委員も務めるほどだ。身の丈発想の勝利だ。

実は2009年から安定した商品を供給するためトーハンなどの卸業者と契約。全巻新品販売に切り替えている。千葉県市川市に物流倉庫を借りた。偶然にもアマゾンの倉庫の隣だという。

秋葉原から世界に繋がる。

市川に倉庫を構えた時、一度は事務所もそこに移したが、その後、秋葉原に事務所を構えた。最初は店舗ではなく純然たる事務所として、今とは違う御徒町よりの場所だった。先述通り、漫画の聖地。先述通り、そのブランドにあやかった。

「サイトを訪れる方にとって、秋葉原に本社がある、となれば安心感になると思うんです。それは海外の方にとっても同じ。海外に行って、名刺を配っても『アキハバラから来ました。マンガを売っています』というと、それ以上、説明がいりませんからね」

今の場所には2009年12月に店舗兼事務所として移った。「『ジョジョの奇妙な冒険』なら第二部に限るよ」「オレは意外と四部だな」だとか「『キャプテン翼』のスカイ・ラブ・ハリケーンて何巻に出てくるんだっけ?」なんて感じで、聖地にある店らしく全国から訪れるお客さんが、ディープな漫画トークを楽しみながら、秋葉原店を物色していく。

店舗は秋葉原の裏通りにある。ちょっと入りづらいところが、また宝探しのようで楽しい


「漫画が好きな人って、そんな会話も楽しくて仕方ない。秋葉原の魅力もそういうところにある気がするんです。普段住んでいる町にはいなくても、この街に来たら、同じようなテンションで漫画やアニメやフィギュアやパソコンについて語り合える仲間がいる。僕らのサイトも、そういったソーシャルメディア的な楽しみも付加できたらいいと思っています。マンガ好きの熱い会話を聞くと、また読みたくなり、買いたくなるじゃないですか」

さらに中国語版サイト、英語版サイトをオープンし、秋葉原から世界のマンガ好きを繋ぐ予定だ。得てして秋葉原の小さな場所から、世界を繋ぐ仕事を手がけていくわけだ。

「海外では実店舗を構えてみたいんですよ。いまこの時期に? って思うかもしれないけど、オレみたいな日本人や日本の漫画が好きで、NYやパリで巣ごもっている人って、絶対にいますから」

いつもの通りアテなど無い。けど安藤さんは、そのほうが燃えるんだ。

【秋葉原Worker データファイル1】
安藤拓郎
株式会社TORICO 代表取締役社長
「漫画★全巻ドットコム」

■あなたにとって「秋葉原」とは?
入場料のいらない遊園地って感じです。

■秋葉原でよく使うランチの店は?
『とんかつ 丸五』

■今の仕事をしていて良かったなと思う瞬間は?
会社で漫画を読んでいても怒られないこと。

【働いている場所】
千代田区外神田1-8-7-401
「漫画★全巻ドットコム 秋葉原店」

定休日:月~水
TEL:03-3254-4220
http://mangazenkan.com/

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