月別アーカイブ: 2010年9月

第8回 真っ青になりました。~取材の時のファッションとは?~

振り返ると、今夏は実に暑かった。
インタビュアーにとって…というよりも「汗だく星人」な私にとって、夏の暑さは実にキツいものです。
なにせ夏場の取材となると、私はオールウェイズ・汗だくだく。
だから、必ずインタビュー相手に言われるのです。
「あ、暑かったら、どうぞジャケット脱いでください」(←はい。と即座に脱ぎます)
「ああ、エアコンちょっと強めますね」(←助かります)
「あれれ、今日、雨ふっていましたっけ?(笑)」(←いじめでは?)
だったら、最初からポロシャツなりでいきゃいいのに、という話もあるのですが、基本的に取材の際は「相手と似た格好をする」というのがセオリーです。
例えば、びしっとしたカタめのビジネスマン相手なら、やはりこちらもスーツにネクタイで伺う。逆にこだわりもったアメカジショップオーナーが相手なら、例えばこちらもチノパンにデニムシャツで、といった具合です。
「スーツならば失礼は無いだろう」と思われる方もいるかもしれませんが、ジーンズにTシャツ姿の相手の前に、ガチガチのダークスーツのインタビュアーが現れたら「なんだか話しづらいな…」となかなか胸襟を開いてもらえないものです。逆に、年配の会社社長の前に穴のあいたジーンズ姿で現れたら、怒られかねません。
ようするに、インタビュアーにとってのファッションは、自分ではなく「相手のためにある」と考えるのが正解。良い記事を作成するためには“気持ちよく相手に話してもらう“ことがなにより大事だからです。ファッションはそのための環境づくりであり、インタビュアー自身のファッション・ポリシーやら好み、はては「暑い・寒い」なんて二の次、三の次になる、というわけです。
その日も、暑い、暑い夏の日でした――。
媒体は独立起業に関する情報誌。
取材相手はネットでショッピング代行を手がけていた個人事業主の方。
カタからず、やわらかすぎず、という職業の相手だったので、守備範囲の広い「ノーネクタイでジャケット着用」というスタイルで、取材先の渋谷のカフェにうかがいました。
「あ……ハンカチ忘れた」
それに気づいたのは、当時住んでいた最寄駅に着く直前でした。これから家まで戻ってハンカチ一枚を取りに行くのは、実に億劫。なので、駅前の100円ショップにてバンダナを購入。これをハンカチとして使うアイデアを採用しました。
「ヴィンテージのアメリカ古着なんかも扱っている人だから、バンダナって感じかな」
中途半端に色気を出したのが、いけなかったのかもしれません。
取材そのもは実にスムーズに進行しました。
「学生時代からずっとファッションが好き」「しかし、地方都市の田舎町ではほしいものが手に入らない」「雑誌でみたあのブランドがほしいから上京していた」「出費と時間が実に無駄」「ならば『かつての自分』を相手にビジネスを!」「そして思いついたのが、ブランド品のショッピング代行だった」。
スムーズじゃなかったのは、取材場所となったカフェの空調。35度近い猛暑のせいか、極めて効きが悪く、取材序盤から私の額や脇は汗ダクダクに。あっというまに汗だく星人になっていたのでした。もっとも――。
『100円でバンダナ買っておいてよかった』
密かにそう思いながら、噴き出る汗をぬぐいつつ、ふんふんと取材はつづいていました。
が、そのとき突然、取材相手の表情が一変。
そして、こんな一言を私に放ちました。
「あの……顔、青いですよ」
え? そんなまた。えらく暑いとはいえ、顔面蒼白になるほど体調悪くないですよ~、なんて笑って返したのですが、「そうじゃなくて」と返されつつ、同行していたその方のスタッフに小さな手鏡を渡されました。
そして、驚きました。
『白昼、渋谷のカフェにブルーマン(http://blueman.jp/dir/about/index.html)あらわる!』
いや。あそこまで青くないのですが、何か青鉛筆で雑に塗りまくったかのように顔全体がうすら青く。理由はもちろん、青いバンダナ。噴き出る汗を拭うたび、未洗濯のバンダナから染料が、私の顔にいちいち塗布されていった、というわけです。結果、不健康というか不気味というか、まるで不可思議な青いいきものが誕生。”汗だく”を退けようとした結果、「星人」だけが残ってしまった、というわけです。
以来、私のジャケットのポケットにも必ずハンカチが入っています。
さらに取材バッグには、必ず予備ハンカチと予備予備のタオルハンカチまで常備する気合の入れようです。
もちろん、色は青以外で。
■今回の失格言
バンダナを買ったら、必ず洗濯してから使うべし。


『超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか』をやってみた。

超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか編集部のメンバーが最近読んだ“シゴトに関する書籍”を自ら実践。その「はたらき心地」をレポートするという、安易なプラグマティズムにもとづいた書評コーナーなのです。
<今回のやってみた本>
『超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか』(小松 易/著 マガジンハウス)
<今回のやってみた人>
須貝

今回はデスクの片付けに挑戦。

「けっこう机、きたないよね」
と、先日会社の先輩に言われた。私自身、密かに気にしていたことだったので、「思い切ってデスクを片付けよう!」と決心。某誌の書評の仕事で出会った本を実践してみることにした。タイトルは『仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか』。日本初の片付け士・小松易さんによるデスクの片付けのノウハウが詰まった一冊だ。著者によれば「机がキレイな人は頭の中もきれいに整理されていて、仕事もできる」ということらしい。確かに自分の周りを見渡してみると、そんな気がする。
で、私の机はこんなかんじだ。
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かなりきたない。そしてなぜか小銭が散らかっている。こんな状態をいったいどうすればよいのか。本書によればそもそも片付けは「整理」と「整頓」の2つから成り立っているという。そして、整理は「物を減らすこと」、整頓とは「物を使いやすい場所に置くこと」。つまり片付けとは、物を減らして使いやすく配置することなのだ。
著者によればデスクの片付けの理想は「机の上にパソコンと電話のみ」。軽くやりすぎ感が漂うが、黙って実践しよう。本書は片付けの手順が非常に具体的に記してあるので、書かれた通りに実践すれば整理整頓ができるようになっている。
はじめは引き出しの整理から。
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あらためて冷静に見ると相当きたない。
これをどうするかというと、中身を「全部外に出す」!
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外に出す作業、完了。
中身を全部外に出す理由は2つあって、「すべてのものが見渡せるので効率が上がる」のと「減らす覚悟ができる」のだそうだ。確かに早く減らしてしまいたい。
次に「要」「不要」に分けて、不要としたものを減らす。
普段使っていない余分なボールペン、「不要」。
全く使っていない液体のり、「不要」。
数カ月前に終わった秋葉原ホビーまつりの抽選券、「不要」。
こんな地道な作業を続けた結果……。
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ほぼすべての物が「不要」だったという衝撃的事実が判明した。
よく使うペン2~3本や電卓といった限られたアイテムだけが残った。
同じ要領でデスクまわりをすべて整理整頓!
デスクの棚に眠っていた1年以上前の書類や雑誌のバックナンバーといった不要な物を大幅に削減。さらにパソコンの本体はデスクの下へ移動。よく使う書類もすべて右下の引き出しの中に収納した。
そして最終的に……。
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目標としていた「机の上にパソコンと電話のみ」が実現した。一瞬、「今日で退職する人のデスク」に見えなくもないが、非常にスッキリしていて良いと思う。ついでに自宅であまっていたパソコンのモニターを持ってきてデュアルモニターにしてみた。
さて、この状態になってからすでに1か月ほど経った。とにかくデスクが広いので、毎日非常に気持よく仕事ができている。原稿を書くときに、机に資料をたくさん広げて作業をしてもまったく邪魔にならない。
それと、何と言ってもモニターが2台になったことが大きい。PCでの作業効率が飛躍的に上がった。例えば右のサブモニターでブラウザを開きながらメインモニターで文章を打つ、メールソフトをサブモニターに映したままメインモニターで他の作業をする、なんてことができてとても快適だ。
……と、いつのまにかデュアルモニター環境を勧めてばかりいたが、それもこれも机の上をキレイに片付けたからこそできた話。ぜひ、デスクの片付けにチャレンジして成功した暁にはモニターを2台にしてほしい。きっと、今より「仕事ができる人」になるはずだ。

超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか

超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか

  • 作者: 小松 易
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2010/06/24
  • メディア: 単行本