月別アーカイブ: 2009年9月

第1回 はじめに

人の話を「書く」ことは、つまり人の話を「聞く」ということ。
ならば、書く仕事をしている我々は、“聞くプロフェッショナル”といえそうです。
だからして――。
「ああ。それで、聞き上手なのか!」
「人の話をひきだすのがうまいよね~」
なんて、ごくまれに、周囲の方々からそんな言葉をいただいたりもする。
ありがたい話です。
そんなときはいつも通り、答えます。
「いやいや。そんなことないですよ」
「とんでもないです。恐縮です」
そして密かに思っています。
『ええ。伊達に失敗ばかりしていませんよ!』と。
確かに我々スタッフは、年間100人以上の経営者、ビジネスマン、文化人、学者、政治家、スポーツ選手といった方々に、インタビューをさせていただいています。
それは自慢なんかじゃ、ちっともなくて、
ようするに、数多くの方々の前で“やっちゃって”いるのです。
「チラっと言った質問で、取材相手が突然激怒! インタビューが中断したり…」
「『どうなんですか? 海老沢さん』と尋ねた相手が『海老沼さん』だったり…」
「目をつむって感動しているふりをしながら、取材途中に居眠りしちゃったり…」
ビジネスの現場では、よく「コミュニケーションの重要性」が説かれます。
たとえば、M&Aの増加や異業種コラボレーションが増え、他者との円滑なコミュニケーションは業績や成果を大きく左右するようになりました。
ところが、地域コミュニティの崩壊や少子化の影響もあり、「人と話すのが苦手」という若いビジネスマンは増えています。
加えて、メールやネットが浸透して、むしろ「面と向かっての会話がどうも…」という方も多くなっている気がします。
とどのつまり、コミュニケーション力というか、ヒアリング能力、
言ってしまえば「インタビュー力」をあげるニーズが盛り上がっているように考えます。
そこで、我々の出番ですよ。
「インタビュー力をあげる方法、教えます!」
ちょっと待て。お前らは失敗ばかりなんじゃなかったか? と思われる向きにあえて言います。
「だからこそだ!」と。
人は自慢話なんかより、失敗談にこそ耳を傾けるものです。
「こんなに儲けたぜ!」って自慢より、「大損した!」って話しのほうが誰かに話したくなりませんか?
ノロケ話より、失恋話のほうが聞きたいですよね?
つまり、このコーナーでは、今後、僕らインタビューのプロが、思いっきりやらかした失敗談をご紹介。
読むみなさんは、「バカだな」「ダメだな」「アマチュアだな」とあきれながらも、気が付けば「オレはこんなことはやらんぞ!」と反面教師的に“ヒアリング能力”“聞く技術”が身に付く、という画期的かつ読者任せの仕事力UPコーナーになっております。
そのままマネてはいけません。


第1回 左マウス

先日、後輩の須貝に言われて、ちょっと驚きました。
「杉山さん、左手でマウス使ってる人を、初めて見ましたよ」

僕は、右利きですが、左手でマウスを使っています。
IMG_5076.jpg

始めたのは4~5年前。
取材でメモをとり過ぎて、腱鞘炎になってしまったことから、
右手の負担を減らそう、と左で使い始めたんです。
しかし、コレ、実践している人が少なからずいると思い込んでいたのですが、
周囲の人に聞いてみると、一人もいませんでした。意外と珍しいんですね。

でも、マウスは左で使える方が断然トク! と僕は思います。
そこで、左マウスの良さについて、ちょっと熱弁をふるわせていただきます。

さて、第一のメリットは、パソコン作業の疲労度がまったく違うことです。
左が使えれば、左右交互に使うこともできますから、
マウスを使う労力が1/2ずつに分散できる。
そのおかげか、以前は鍼灸マッサージ院にしょっちゅう通っていたのですが、
今は月0~1回程度で済むようになってきました。

左マウスの長所は、それだけじゃありません。たとえば…。
IMG_5081.jpg
ネットを見ながらメモがとれる。これはホントに便利。
それを実感してから、ますます左マウス信奉者になりました。また…
IMG_5089.jpg
そばだって食べられます。
食事しながら、資料をプリントアウトするなんてことをよくやっています(行儀の面ではちょっと問題アリですが)。
IMG_5098.JPG
もちろん、うどんだって食べられます。
IMG_5101.JPG
パスタもなかなかいけます。
IMG_5112.JPG
デザートのナタデココゼリー。ゼロカロリーですが、食べ応えがあります。

さらに、ネットで調べたら「右脳が鍛えられる」なんてことも書いていました。
ん…、それは正直実感ないなぁ。でも、そんなこともあるようです。

「左で使うのって難しいんじゃないの? ハードル高えよ」
と先輩の箱田に言われましたが、僕の体験から言えば、そうでもありませんでした。
やり方は、単にマウスを右から左に移動するだけ。
ボタンの左右の設定は、変えることが可能ですが、
左右で交替する時に面倒なので、僕は変えていません。
慣れるのも割と早く、
僕は、1週間もかからずに、それほど支障無く使えるようになりました。
1カ月も経てば、右手と遜色ない感じで使えていました。
ちなみに、僕は人生でまともにプラモを作ったことがないほど、不器用です。
どうです? 挑戦してみたくなったでしょう?

といった内容を、社内でも話していたら、
「お前、そういうの、ブログで紹介したらいいんじゃないの? いっぱいネタあるだろ」
と言われました。
確かに、僕は、ビジネス誌で10年近く仕事術の取材をしていて、
その方法を試しまくっています。
それによって、ものすごく稼げるようになったかというとえらく微妙ですし、
「まったく合わなかった」という失敗談も多いのですが、
以前と比べ、仕事の効率が上がっているのもまた事実です。
たとえ失敗談でも、少しは仕事効率アップのヒントになるかもしれない…?
ということで、以後、僕の体験談と、辿り着いたやり方「杉山システム」をちょこちょこご紹介致します。
ちょっとはお役に立てれば何よりです!