身の回りのことをできるだけシステム化・効率化することを目指す「杉山システム」。今回は、「IDとパスワードの管理」です。
「インターネットサイトのIDとパスワードが増えすぎて、収集がつかなくなっている」。これ、僕だけでしょうか? 通販サイトに情報系サイトにネットバンキング、と会員登録しているサイトは年々増える一方。数えてみたら、サイト数は約40。IDとパスワードはそれぞれ10種類以上もありました。
すべて同じIDとパスワードにできれば良いのですが、IDは自分で選べないこともありますし、パスワードはすべて同じだと安全性に問題がある。サイトによっては、10ケタ前後の複雑なパスワードが求められることもあります。その結果、やたらと増えてしまったわけです。
一部のIDやパスワードは、Internet Explorerなどブラウザの登録機能を使って自分のPCに覚えさせていますが、ネットバンキングや通販サイトなどのパスワードは、安全性の面で、自分のPCに保存したくない。
そこで、アナログな僕は手帳にメモって整理しているのですが、これはこれで問題なのは重々承知しております。2年前、電車で泥酔&爆睡中にバッグごと盗まれたことがあり、この時は財布以外戻ってきたのですが、そんな幸運はめったにないでしょう。ケータイのメモに入力し、ロックをかけておく手もありますが、ロックをかけ忘れて、落としそうな気も。
うーん、なんとかならないものか。
そこでちょっと調べてみたら、最近は、無料でダウンロードできる「ID・パスワード管理ツール」がいくつもあるんですね。
機能はどれも似通っているようで、基本的には、数多くのサイトのIDとパスワードを一括登録することが可能。そして、このツールを経由して、登録済みのサイトにアクセスすると、IDやパスワードを入力することなく、自動ログインできます。ツール自体のIDとパスワードは打ち込む必要がありますが、それだけ覚えておけば、何十ものサイトが一括管理できるというわけです。
他のPCからでも使えるツールを選べば、会社でも家でも利用可能。ものによっては、スマートフォンでも使えるようです。気になるのはセキュリティですが、どのツールも、セキュリティの堅牢さが自慢の様子。これはけっこう良いかも?
手始めに、ヤフーでダウンロードできる『MoneyLook』を試しました。
ID・パスワード管理だけでなく、資産全体を管理できるツールで、銀行や証券会社、カード会社の資産状況、ポイントサイトの保有状況も管理できました。かなり優れたツールですね。ただ、そこまでいくと、資産を握られているようで、ちょっと恐ろしい気がしなくもない…。また、通販サイトや情報系サイトのパスワードは管理不可。そういうサイトも、まとめて一括管理したいんだよな。
という条件で探したところ、アメリカのベンチャー企業が提供している『LastPass』というツールが良さそうでした。
サイト登録の仕方は簡単で、ツールをダウンロードした後、登録したいサイトにログインすると、「このパスワードを登録しますか?」とメッセージが表示されます。
YESとクリックすれば完了。あとは、ツールを立ち上げると、登録サイトが一覧で表示されます。
これをクリックすれば、自動でログインできました。そして、会社で登録を済ませた後、自宅のPCにこのツールをダウンロードし、アクセスしたところ、ほとんどのサイトは自動ログインできました。こりゃ便利!
ただ、一つ気になったのは、『LastPass』の運営会社を信じられるかどうか、ということでしょうか。このサイト、日本語版があるのですが、これが、いかにも翻訳ソフトで翻訳した日本語。経営陣のプロフィールを見ると、「市立大学のフットボールのことではいつも楽天的です」などとワケがわからないことが書いてあります。ちなみに、全員ポロシャツ姿で、やたら陽気な笑顔。トップページに戻ると、「キャッチやだましではありません」。…信じられる人には、良いツールだと思います。
結局、僕はどうしたか? 情報漏洩しても実害が小さそうなサイトだけ『LastPass』を使い、あとは手帳にヒントだけ書いて、自分の頭で覚えることにしました。最強のセキュリティシステムは我が頭脳かな、な~んて。
まぁ、さっそく昨日登録した『MoneyLook』のパスワードを忘れましたが…。