カデナクリエイトの創立者:経済評論家だった故・竹内宏の「路地裏の経済学」は、身近な例を使って経済を分かりやす解説した本です。現在では当たり前の手法ですが、本書が出た当時は、パチンコ産業や日本人論やコンプレックスなどを織り交ぜての分析は常識外れ。激しい批判を浴びる一方、新鮮な視点とも受け入れられ大ベストセラーになりました。
本書が出版されたのは経済の高度経済成長が終わり、成熟社会に転換しようともがいていた1979年。イラン革命をきっかけに第二次オイルショックが起こり、また渋谷に109が誕生した年でもあります。
あれから40年。「環境問題」「少子高齢化」「格差」をはじめ、日本はざまざまな問題を抱えるようになり、再び転換を迫られています。日本はどう変わりたいのか。日本がもがいていた時代に書かれた本書には、そうしたことを考えるヒントがいくつも隠れているはずです。
そんな思いで、電子書籍での復刻を思い立ち、一周忌のタイミングでの復刻の運びとなりました。
もちろん、当時を知る世代には懐かしく、知らない世代にとっては日本品質についての歴史の書としても楽しめるはずです。
電子化にあたって、当初は本人が前書きを書く予定でしたが、残念ながら間に合わず、僭越ながら娘の自分が書かせていただきました。