『令和のマナー検定』のテキストを作成しました

こんにちは、竹内です。
今年の3月、カデナクリエイト初の検定テキストを作成しました。
タイトルは『令和のマナー検定』。テクノロジーの進化、グローバル化の進展、多様性の広がりなど、新しいビジネス環境に即したビジネス・マナーを新社会人向けに解説しています。

制作のきっかけはコロナ禍。リモートワークやweb会議など、働き方が急激に変化したことです。「自宅からweb会議に参加する時の服装は?」「web会議は何分前に入室すればよいのか?」……。ベテラン社員でも迷います。まして新社会人ならなおさらでしょう。

「新しい働き方に即した令和のマナーについて学べる教材が必要では?」と様々な教材の制作や検定試験の実施などを手掛けるオデッセイ コミュニケーションズからお声がけいただき、テキストの作成を担当することになりました。

当たり前ですが、新しい働き方のマナーは確立されてはいません。また、LINEのように、数年前は仕事で使うのは失礼な行為とされていたものが、今では普通に仕事で使われるようになったものもあります。

「この場合は、どのやり方がマナーとして正解か?」「このやり方は、まだビジネス・マナーとして認められるには早いかも」……。弊社とオデッセイ コミュニケーションズと侃々諤々の議論をしながら進めていきました。

もちろん、冠婚葬祭、挨拶など変わらぬビジネス・マナーも沢山あります。そうしたマナーも、しっかり押さえているのも特徴でしょう。
検定試験もありますので、関心のある方はぜひチェックしてみてください。

検定試験案内  https://reiwamanner.odyssey-com.co.jp/
検定案内動画  https://www.youtube.com/watch?v=rPAhLhyY1ZM


そごう西武売却で思い出したこと

こんにちは。竹内です。
「ヨドバシは『そごう・西武』をどう変えるか?小売り専門家が大胆予想!」
こんな記事に刺激を受けて、久しぶりに更新しました。

まだ見えないそごう西武の行方
上記の記事に限らず、昨年から、そごう西武に関する報道が増えました。

きっかけは、昨年、セブン&アイ・ホールディングスが、子会社のそごう・西武の売却を決めたことです。入札に関する情報提供に不備があるなどともめる一幕もあったと言われていますが、最終的に売却先はアメリカの投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに決まりました。

各入札者は、単に入札価格を提示するだけではなく、今後、そごう・西武をどうしていくのかについてのプランの提示も求められました。フォートレス・インベストメントが提示したのは、ヨドバシホールディングスの店舗を核店舗として展開するというものでした。

その案に対して、今度は豊島区の高野之夫区長が異を唱えたのです。豊島区は、2015年に「国際アート・カルチャー都市構想」を発表し、その実現に向かって努力している最中です。その中心である池袋、その顔とも言える駅直結の場所に建っているのが西武百貨店です。この場所に必要なのは文化的な雰囲気。低層階にディスカウントストアは入って欲しくないというわけです。

高野区長は、そうした主張をするために西武ホールディングスの後藤高志社長に嘆願書を出したり、記者会見を開いたりしました。それに対して、「政治家が民間企業に圧力をかけていいのか?」「ブランドショップがあれば一流の街なのか?」「経営不振に陥るのは、そもそも百貨店の数が多すぎるのでは?」等、様々な反論が飛び出し、当分、騒ぎは収まりそうもありません。

◆20年後、40年後に起こった現実
西武百貨店の話題が気になるのは自分が新卒で入社した会社が西武百貨店だったからでしょう。在籍したのは1980年代前半。有楽町西武をはじめ、多店舗展開に力を入れ始めた最盛期でした。

今回の西武百貨店を巡る一連の流れで、当時、経験した二つのことを思い出しました。

1つはA先輩が売り場の陳列棚に置くための板状のPOP(広告)のキャッチコピー案を、企画担当にチェックしてもらった時のやりとりです。

A先輩:「こんなキャッチコピーでどうでしょう?」
企画担当:「なんだね、これは? A君、イトーヨーカ堂にいった方がいいのでは?」

失礼な話ですが、事務所内が大笑いに包まれました。自分も横でゲラゲラ笑っていました。しかし、およそ20年後には、そのイトーヨーカ堂の子会社になっていました。

そして、もう一つ思い出すのは、先輩たちとのこんなやりとり。

先輩B:「その時計、どこで買ったの?」
私:「ヨドバシカメラです」
先輩B:「え~!? そんなところで買って大丈夫?」
先輩C:「社販より安いって、時計メーカーの友達が話してたよ。やっぱり怪しいよね」
先輩B、C:「気をつけなさい」
私:「はぁ……」。
それからさらに20年後。今度は、そのヨドバシホールディングスが、フォートレス・インベストメントと連携して買収に動きました。

成熟期の後には衰退期がやってきます。一方で未来のライバルたちが続々と成長期や成熟期に突入します。教科書で習っている当たり前の話ですが、自分たちのこととなると、なかなか気づけません。

自分が勤める会社、あるいは業種、職種などは、今、どの段階にいるのか、常に意識することが重要なのでしょう。デジタルは苦手などと言っている場合ではないと、改めて思いました。


『転職・再就職 1年目の働き方』を執筆しました

『転職・再就職 1年目の働き方』がマイナビ出版から発売されました。

執筆のきっかけは、せっかく希望していた会社に転職できたのに、たった数カ月で辞めてしまった。こんな人は少なくないことでした。

その原因は「結果を出そう」「期待に応えよう」と焦るからです。しかし、慣れない会社で勝手な動きをすれば、チームワークを乱したり、取引先に迷惑をかけるなどの失敗につながります。次第に浮いた存在になり、会社に居づらくなってしまう……。

企業が中途採用をする理由のひとつは即戦力。「営業経験者」「経理経験者」「広報経験者」といった具合に、これまでの経験を活かして活躍することが期待されます。さらに、「この素材の新しい用途を考えてほしい」「貿易部門をつくってほしい」など、具体的な業務を期待してスカウトするといったこともあります。

そこで、入社早々、期待以上の結果を出そうと頑張りすぎてしまうのです。しかし、新しい環境で、すぐに結果が出るはずはないし、転職先も、そんなことは期待していません。新しい会社で結果を出すためには、まず、その会社の仕事のやり方を知る必要があります。一緒に仕事をする人たちのことを知ることも重要です。新しい会社の仲間から「身内」だと認められれば、様々な協力も得られるようになり、仕事はスムーズに流れだします。実力を発揮するのは、この段階からです。

このように転職1年目は非常に大切な期間ですが、その期間の過ごし方について書かれたものは、あまり見かけません。そこで転職・再就職の1年目の働き方に絞った本書を制作することにしました。

入社1か月目、2カ月目と時系列に目標とやるべきことを紹介するといったスタイルです。キャリアプラン、ビジネススキルなど、転職後はもちろん、転職前にも役立つ内容になっています。

転職が決まったら、あるいは転職を考えたら、ぜひ手にとってみてください。


6月6日 『リース業界のしくみとビジネスがしっかりわかる教科書』を執筆・編集しました!

航空機、車両、船舶、医療機器、工場まるごと、コンビニの什器をはじめ、様々なものがリースで調達されている。身近なリース物件を知るだけでも面白い

業界本が沢山ある業界・ほとんどない業界

 就活時期になると書店には、業界研究の本がズラリと並びます。『保険業界』『ホテル業界』『銀行業界』『流通業界』『ブライダル業界』『ペット業界』などは、その例です。

 業界研究本を利用するのは、就活の学生だけではありません。取引先の研究、市場調査、企画立案など、様々な目的でビジネスマンも活用します。

私たち編集プロダクションも、業界研究本の愛用者です。業界のアウトラインが分からなければ、その会社、あるいはその人が、どのくらいすごいのか、どれだけ大変なことを成し遂げたのかといったことが分からないからです。

数年前、「リースの仕組み」「リース業界のこれから」などを紹介するムックを制作する機会がありました。通常であれば、取材等の準備は、学生向けの業界研究本、早わかり本をチェックするくらいで大丈夫ですが、リース業界には、そのような手軽な本がほとんどありませんでした。

学生向けの『リース業界』本がないなら自分たちでつくってしまおう

リースの会計について書いてある本、リース会社の新人向けの本、リース利用のメリットを説いた経営者向けの本、一種の産業史など、何冊もの難しい本に目を通す必要がありました。また、この時、平易なリースの業界研究本を必要としている学生やビジネスマンがいるのではないかと思い、何となく、心の中でリース業界本の企画を温めていました。

そして、機会はやってきました。出版社の技術評論社さんが、「図解即戦力」という業界シリーズを創設したのです。さっそく「リース業界」を提案して、今回の『リース業界のしくみとビジネスがしっかりわかる教科書』の出版が決まったわけです。

リース業界は非常に奥深いので、まだまだ足りない部分があると思いますが、どんな仕事があるのか、入社後のキャリアプラン、リースを取り巻く法律、リースの社会的役割をはじめ、立体的に理解できるよう多様な視点から描いたつもりです。手にとっていただければ、うれしいです。


12月26日 『役職定年』発売!

数年前から同級生の一部から役職定年の話がでてくるようになりました。

「役職定年って何?」

サラリーマン経験3年足らずの自分は、恥ずかしながら、どんな制度なのかピンときませんでした。恥を偲んで、どんな制度か聞いてみると…。

年収が半分近く減る?
平社員になる?
早期退職するか選択を迫られる?

なんだか、悲しい制度です。
「もし、役職定年になったらどうすればいいの?」こんなところから企画がスタートしました。

「定年は研究してるけど、役職定年は専門に研究している担当者がいないんだよ」
「人事制度を刷新してる最中なので、ちょっと取材は遠慮させていただきたい」
「役職定年制度の導入事例? 取引先の情報を話すわけにはいかないんですよ」

取材を申し込むと、正直、投げ出したくなるほど断られまくりました。「やっぱり話したくないほどネガティブな制度なのだ!」と偏見に凝り固まりかけてきた頃、監修者が野田稔先生に決定し、役職定年は素晴らしい制度だと思わぬ説を伺いました。また、人事の専門家の河村佳朗氏も執筆陣に加わることになり、役職定年者に対するリカレント教育に熱心な企業が増加中といった「人事の今」のお話を伺いました。

全ての取材に同行した編集の田島孝二氏を中心にみんなでディスカッションを重ねながら、
軌道修正を行い、やっと完成したのが本書です。

書店で見かけたら、パラっとでもめくってもらえるとうれしいです。
『役職定年』(マイナビ新書)