いつのまにやらアラフィフ世代!! いまや、びっくりするほど新しいことが分からなくなってきました。このままでは、日常業務にも差し支えそうです。というか、すでに差し支えています。新しいことに強い「アラサー世代」に習えば全て解決なのは分かっていますが、年寄り扱いされるのはちょっとシャクにさわります。聞くべきか、聞かざるべきか……。今日もそれが問題です。
世の中の仕事の流れについていくために、
いよいよスマホ購入宣言をしました。
「これでアンドロイドも揃うわけですね!」
「スマホ率100%!」
「エクスぺリアですかね?」
「ギャラクシー触ってみたかったんですよね!」…。
「そ、そうだよね!」
と言ってはみたものの、みんなの話は半分も分かりません。ギャラクシャーってゲームじゃなかったっけ?
こんな調子で、機種選びなどできるのでしょうか?
途方に暮れていると、スタッフAがスマホの選び方を特集した雑誌を貸してくれました。
「おおーー、ありがたい!」と思ったのも束の間。
誌面には「いよいよデュアルコア!」「デュアルコアの機種」…。
デュアルコアの文字が踊ってますが、いったいこれは何でしょう?
「要するに、ふたつのCPUをひとつにまとめ…。とにかく早いということですよ!」
な、なるほど。それなら早いと書けばいいのに…。年寄りに対する意地悪か?
他にも分からない言葉だらけ…。再び、スマホいらないという気分になってきます。
しかし、よく考えれば、ガラケーも使いこなせない自分が、スマホの最先端機能など知ったところで使いこなせるわけありません。全くのムダな努力だと気づいたので、とりあえず書を捨てて店に行ってみることにしました。
年寄り扱い&迷惑顔をされたらいやなので、大混雑の家電量販店は避け、近所の閑古鳥が鳴いているドコモショップを選びました。店をチラリとのぞいただけで、もう暇そうな店員が近づいてきました。
店員:「今日は、どんな御用事で?」
私:「スマホが欲しいです!でも、どれ買っていいのか分かりません!」
店員:「それならデュアルコアの…」
さっきの雑誌みたいに、まず、デュアルコアです。
私:「す、すみません、そのような機能の話はよく分からないので、デザインで選びます!」
もう難しい話は聞きたくないので、逃げるように展示コーナーに行きました。
……商品が有りすぎです。
『ハドソン河のモスコー』という映画で、旧ソ連からアメリカに亡命した主人公が、ある日スーパーに買い物に行くと、あまりの物量で、どう選んでよいのか分からず、ついに気絶してしまうというシーンがありましたが、まさにあの気持ちです。
冷や汗を出しながら商品の前でぼんやりしてると、今度は女性店員が寄ってきました。
女性店員:「何がしたいですか?」
私:「大きな画面でローマ字入力」。
女性店員:「それなら出たばかりのギャラクシーがオススメですよ」
そういって、入力してみせようとしましたが、なかなかローマ字の画面が出てきません。
「ちょ、ちょっと待って!」。彼女は、店の奥に入り私物のギャラクシーを持ってきました。「やっぱり自分のじゃないとね!」そう言って、チャカチャカと打ってみせてくれました。画面を横にするとローマ字入力のキーが大きくなります。確かに便利?
私:「使い心地はいいですか?」
女性店員:「最高ですよ。私は迷いなくコレにしましたよ!」
そう言いながら、いとおしそうに画面を撫でています。
なるほど。お店の人が使っているならいい機種なのでしょう。私も真似することにしました。
私:「それに決めました!」
女性店員:「ありがとうございます。それでは、こちらにどうぞ」
さあ、これで、私もいよいよスマホ・オーナーです。