業界本が沢山ある業界・ほとんどない業界
就活時期になると書店には、業界研究の本がズラリと並びます。『保険業界』『ホテル業界』『銀行業界』『流通業界』『ブライダル業界』『ペット業界』などは、その例です。
業界研究本を利用するのは、就活の学生だけではありません。取引先の研究、市場調査、企画立案など、様々な目的でビジネスマンも活用します。
私たち編集プロダクションも、業界研究本の愛用者です。業界のアウトラインが分からなければ、その会社、あるいはその人が、どのくらいすごいのか、どれだけ大変なことを成し遂げたのかといったことが分からないからです。
数年前、「リースの仕組み」「リース業界のこれから」などを紹介するムックを制作する機会がありました。通常であれば、取材等の準備は、学生向けの業界研究本、早わかり本をチェックするくらいで大丈夫ですが、リース業界には、そのような手軽な本がほとんどありませんでした。
学生向けの『リース業界』本がないなら自分たちでつくってしまおう
リースの会計について書いてある本、リース会社の新人向けの本、リース利用のメリットを説いた経営者向けの本、一種の産業史など、何冊もの難しい本に目を通す必要がありました。また、この時、平易なリースの業界研究本を必要としている学生やビジネスマンがいるのではないかと思い、何となく、心の中でリース業界本の企画を温めていました。
そして、機会はやってきました。出版社の技術評論社さんが、「図解即戦力」という業界シリーズを創設したのです。さっそく「リース業界」を提案して、今回の『リース業界のしくみとビジネスがしっかりわかる教科書』の出版が決まったわけです。
リース業界は非常に奥深いので、まだまだ足りない部分があると思いますが、どんな仕事があるのか、入社後のキャリアプラン、リースを取り巻く法律、リースの社会的役割をはじめ、立体的に理解できるよう多様な視点から描いたつもりです。手にとっていただければ、うれしいです。