タグ別アーカイブ: ヒアリング ビジネス コミュニティ コーナー ニーズ コラボレーション 教師 コミュニケーション 文化人 アマチュア 経営者

第1回 はじめに

人の話を「書く」ことは、つまり人の話を「聞く」ということ。
ならば、書く仕事をしている我々は、“聞くプロフェッショナル”といえそうです。
だからして――。
「ああ。それで、聞き上手なのか!」
「人の話をひきだすのがうまいよね~」
なんて、ごくまれに、周囲の方々からそんな言葉をいただいたりもする。
ありがたい話です。
そんなときはいつも通り、答えます。
「いやいや。そんなことないですよ」
「とんでもないです。恐縮です」
そして密かに思っています。
『ええ。伊達に失敗ばかりしていませんよ!』と。
確かに我々スタッフは、年間100人以上の経営者、ビジネスマン、文化人、学者、政治家、スポーツ選手といった方々に、インタビューをさせていただいています。
それは自慢なんかじゃ、ちっともなくて、
ようするに、数多くの方々の前で“やっちゃって”いるのです。
「チラっと言った質問で、取材相手が突然激怒! インタビューが中断したり…」
「『どうなんですか? 海老沢さん』と尋ねた相手が『海老沼さん』だったり…」
「目をつむって感動しているふりをしながら、取材途中に居眠りしちゃったり…」
ビジネスの現場では、よく「コミュニケーションの重要性」が説かれます。
たとえば、M&Aの増加や異業種コラボレーションが増え、他者との円滑なコミュニケーションは業績や成果を大きく左右するようになりました。
ところが、地域コミュニティの崩壊や少子化の影響もあり、「人と話すのが苦手」という若いビジネスマンは増えています。
加えて、メールやネットが浸透して、むしろ「面と向かっての会話がどうも…」という方も多くなっている気がします。
とどのつまり、コミュニケーション力というか、ヒアリング能力、
言ってしまえば「インタビュー力」をあげるニーズが盛り上がっているように考えます。
そこで、我々の出番ですよ。
「インタビュー力をあげる方法、教えます!」
ちょっと待て。お前らは失敗ばかりなんじゃなかったか? と思われる向きにあえて言います。
「だからこそだ!」と。
人は自慢話なんかより、失敗談にこそ耳を傾けるものです。
「こんなに儲けたぜ!」って自慢より、「大損した!」って話しのほうが誰かに話したくなりませんか?
ノロケ話より、失恋話のほうが聞きたいですよね?
つまり、このコーナーでは、今後、僕らインタビューのプロが、思いっきりやらかした失敗談をご紹介。
読むみなさんは、「バカだな」「ダメだな」「アマチュアだな」とあきれながらも、気が付けば「オレはこんなことはやらんぞ!」と反面教師的に“ヒアリング能力”“聞く技術”が身に付く、という画期的かつ読者任せの仕事力UPコーナーになっております。
そのままマネてはいけません。