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hakoda について

1972年新潟県生まれ。『月刊BIG tomorrow』『Discover Japan』『週刊東洋経済』等で、働き方、経営、ライフスタイル等に関する記事を寄稿。著書に『図解&事例で学ぶイノベーションの教科書』『クイズ商売脳の鍛え方』(共著)、『カジュアル起業』(単著)などがある。好物は柿ピー。『New Work Times』編集長心得。

『DIME』NO.09/10「『iPad2』&最新Android 今買うなら、タブレット!」で一部執筆しました。

こんにちは。

小学館の情報誌『DIME』09・10号にて、箱田と須貝が一部執筆させていただきました。

SPECIAL①「『iPad2』&最新Android 今買うなら、タブレット!」内の
「タブレットはみんなの”仕事道具”になっています!」と「私たちがタブレットにハマった理由」です。

前者では外科手術の現場にタブレットを持ち込んで手術の精度をあげている神戸大学の杉本医師や、iPadを使ったマジシャンとして有名なサラリーマジシャン・内田伸哉氏、さらに髭剃り前のカウンセリングに利用しているヘアサロンなど、それぞれのプロの現場でタブレットがどのように使われているかをレポート。

後者では、モデルの鈴木えみさんや棋士の遠山雄亮さんといった、各界のタブレットユーザーの方に「ハマったワケ」を伺っています。

家庭内では、ウェブブラウジングが主たる用途であろうタブレットですが、多くの人の「働き方」を変えている画期的なツールであることを再認識できました。後半続く、太田百合子氏による各社のタブレット解説も「濃厚」です。ぜひ!


『PCfan』で「Googleの歩き方」書きました。

こんにちは。

毎日コミュニケーションズのパソコン誌『PCfan』4月号で、「Googleの歩き方」という記事を箱田と須貝が書きました。

google特集

見所は、グーグル社員の方に聞いた、グーグル仕事術。
いわば「シェフに聞いたまかないレシピ」的に、中の人に、Gmailやカレンダーの使い方を伺ってます。

ぜひ!


第8回 真っ青になりました。~取材の時のファッションとは?~

振り返ると、今夏は実に暑かった。
インタビュアーにとって…というよりも「汗だく星人」な私にとって、夏の暑さは実にキツいものです。
なにせ夏場の取材となると、私はオールウェイズ・汗だくだく。
だから、必ずインタビュー相手に言われるのです。
「あ、暑かったら、どうぞジャケット脱いでください」(←はい。と即座に脱ぎます)
「ああ、エアコンちょっと強めますね」(←助かります)
「あれれ、今日、雨ふっていましたっけ?(笑)」(←いじめでは?)
だったら、最初からポロシャツなりでいきゃいいのに、という話もあるのですが、基本的に取材の際は「相手と似た格好をする」というのがセオリーです。
例えば、びしっとしたカタめのビジネスマン相手なら、やはりこちらもスーツにネクタイで伺う。逆にこだわりもったアメカジショップオーナーが相手なら、例えばこちらもチノパンにデニムシャツで、といった具合です。
「スーツならば失礼は無いだろう」と思われる方もいるかもしれませんが、ジーンズにTシャツ姿の相手の前に、ガチガチのダークスーツのインタビュアーが現れたら「なんだか話しづらいな…」となかなか胸襟を開いてもらえないものです。逆に、年配の会社社長の前に穴のあいたジーンズ姿で現れたら、怒られかねません。
ようするに、インタビュアーにとってのファッションは、自分ではなく「相手のためにある」と考えるのが正解。良い記事を作成するためには“気持ちよく相手に話してもらう“ことがなにより大事だからです。ファッションはそのための環境づくりであり、インタビュアー自身のファッション・ポリシーやら好み、はては「暑い・寒い」なんて二の次、三の次になる、というわけです。
その日も、暑い、暑い夏の日でした――。
媒体は独立起業に関する情報誌。
取材相手はネットでショッピング代行を手がけていた個人事業主の方。
カタからず、やわらかすぎず、という職業の相手だったので、守備範囲の広い「ノーネクタイでジャケット着用」というスタイルで、取材先の渋谷のカフェにうかがいました。
「あ……ハンカチ忘れた」
それに気づいたのは、当時住んでいた最寄駅に着く直前でした。これから家まで戻ってハンカチ一枚を取りに行くのは、実に億劫。なので、駅前の100円ショップにてバンダナを購入。これをハンカチとして使うアイデアを採用しました。
「ヴィンテージのアメリカ古着なんかも扱っている人だから、バンダナって感じかな」
中途半端に色気を出したのが、いけなかったのかもしれません。
取材そのもは実にスムーズに進行しました。
「学生時代からずっとファッションが好き」「しかし、地方都市の田舎町ではほしいものが手に入らない」「雑誌でみたあのブランドがほしいから上京していた」「出費と時間が実に無駄」「ならば『かつての自分』を相手にビジネスを!」「そして思いついたのが、ブランド品のショッピング代行だった」。
スムーズじゃなかったのは、取材場所となったカフェの空調。35度近い猛暑のせいか、極めて効きが悪く、取材序盤から私の額や脇は汗ダクダクに。あっというまに汗だく星人になっていたのでした。もっとも――。
『100円でバンダナ買っておいてよかった』
密かにそう思いながら、噴き出る汗をぬぐいつつ、ふんふんと取材はつづいていました。
が、そのとき突然、取材相手の表情が一変。
そして、こんな一言を私に放ちました。
「あの……顔、青いですよ」
え? そんなまた。えらく暑いとはいえ、顔面蒼白になるほど体調悪くないですよ~、なんて笑って返したのですが、「そうじゃなくて」と返されつつ、同行していたその方のスタッフに小さな手鏡を渡されました。
そして、驚きました。
『白昼、渋谷のカフェにブルーマン(http://blueman.jp/dir/about/index.html)あらわる!』
いや。あそこまで青くないのですが、何か青鉛筆で雑に塗りまくったかのように顔全体がうすら青く。理由はもちろん、青いバンダナ。噴き出る汗を拭うたび、未洗濯のバンダナから染料が、私の顔にいちいち塗布されていった、というわけです。結果、不健康というか不気味というか、まるで不可思議な青いいきものが誕生。”汗だく”を退けようとした結果、「星人」だけが残ってしまった、というわけです。
以来、私のジャケットのポケットにも必ずハンカチが入っています。
さらに取材バッグには、必ず予備ハンカチと予備予備のタオルハンカチまで常備する気合の入れようです。
もちろん、色は青以外で。
■今回の失格言
バンダナを買ったら、必ず洗濯してから使うべし。


飲食店は「カンバン娘」で選ぶ時代。

お盆休み明け1日目の今日みたいな日は、やたらと体が思いもの。そのうえ連日35度を超えている地域も多く、すでに“就業後のビール”に思いを馳せている人も多いはずです。
でもって最高の一杯を楽しみたいなら、こだわりたいのが店選び。値段やメニューや雰囲気も重視したいところですが、どうやら最近は「カンバン娘」で選ぶ人が増えている模様です。
以下、J-CASTニュースより。

最近、素人美人の活躍が目覚しい。「美人」が時刻を知らせるサイト「美人時計」や日替わり「美女」が登場する「美女暦」、地方の美少女をモデルに起用したフリーペーパー「美少女図鑑」などなどだ。なぜ今、素人美人なのか。
看板娘にスポットを当てた飲食情報サイトも登場し、人気を呼んでいる。飲食情報サイト「カンバン娘」。サイトを運営するオンライフによると、2010年5月のオープン以来、月間PVが増え続け、7月30日時点で100万PVに達した。
「特定の女性にファンがついてきた」
登場する看板娘はおよそ70人。外見の美しさだけでなく、「たくさんのファンを作り出す」「自分の働いている店を愛している」「仕事に誇りを持っている」「クレーム対応がうまい」といった条件をクリアした女性を「カンバン娘」と定義している。毎月、ファン投票で「ミス・カンバン娘」が選ばれ、特設ページで紹介している。
オンライフの広報担当者はこういう。
「飲食店のサイトはメニューや値段の紹介が多く、人にスポットが当てたものがありません。そんなこともあってこれを作りました。カンバン娘に会いに、来店するお客さんもいるようですね」

J-CASTニュースでは、こうした素人美人が人気を集める最大の理由として「不況で(企業が)タレントにお金を払えなくなったこと」と指摘しています。
なるほど。でもって、以前も書きましたが、IT 化であらゆる情報に素早く辿りつけるようになった現在、「そこに行かないと会えない!」ことに対する価値は、相対的に高まっている気がします。つまりカンバン娘みたいなリアルな存在に「会ってみたい!」というニーズが高まっているのは当然、というわけです。
いずれにしても、正直「美人過ぎる何とか」や「美人●●」なんて言葉が氾濫し過て、美人の価値が急落、軽くインフレを起こしていたところに、“自分の働いている店を愛している”「カンバン娘」と、控えめな表現が心地良いです。
そういえば、ちょっと前に流行った「“カリスマ”店員」なんてのも大げさ過ぎでしたよね。
[J-CASTニュース]「素人美人」モテモテ時代 不況でタレント使えなくなった
http://www.j-cast.com/2010/08/07072584.html?p=all
[カンバン娘]
http://k-musume.jp


鉄道模型じゃなく、鉄道模型の「楽しさ」を売りたい。(後編)

東京、秋葉原。「電気街」「ITタウン」「サブカルの聖地」「メイド喫茶の集積地」「江戸っ子の町」――。
玉虫色に輝くこの地で働くあの人は、
なぜココを選び、どんな思いでシゴトしているのだろうか。

Vol.2 太田和伸
(新品・中古Nゲージショップ 株式会社ポポンデッタ代表取締役社長)

秋葉原が「聖地」な理由。

2000年前後までは、東京の名だたる繁華街でも「Nゲージを扱う店」なんて、一店あればいいほうだった。だからこそ渋谷にできた専門店『ポポンデッタ』は、すぐに多くのマニアを集める店となった。それほど「Nゲージが買える場所」は貴重だったともいえる。

ところが、そんな中で異彩を放つ街があった。

「秋葉原です。以前から4、5軒ほどでNゲージを扱う店があって、ほとんど唯一の集積地でしたからね」
電子工作の部品を扱う店や模型店などが多く、そもそも趣味人が多く集まるこの街に「鉄道模型」を愛する人が集まりやすいのは当然だろう。そのうえ、ここには「聖地」もあった。

万世橋駅――。今の御茶ノ水駅と神田駅の間、まさに万世橋の辺りに1912年に開業した、東京を代表する線路・中央線の終着駅があったからだ。

5階の税理士事務所にて。「二束のわらじはリスクヘッジにもなる。何より精神的にバランスがとれます」


その後、万世橋駅は交通博物館になり(現在は大宮に移転)、さらに全国から鉄道マニアが集うように。鉄道関連のお宝展示に触れた後、秋葉原の街で鉄道模型を買う。そんな導線が自ずと定番化していた。

「だからこそ夢見ていたワンストップショップは、秋葉原に創りたかった。鉄道模型だけじゃなく、この街は趣味人にとって目指すべき場所だと思うから」

目指すべき場所への出店は、思いのほか早く実現した。渋谷に店をだした翌年の2004年。出物物件と出会ったからだ。2階建てのビルまるまる一棟が家賃33万円。税理士でなくても飛びつく好条件だった。渋谷店を締め、ここに得意のレンタル・レイアウトを置き、1階は商品と鉄道関連の古本で埋め尽くした。スタッフには女性を多く配した。「マニア以外入りづらい」。そんな鉄道模型の既存のイメージを、店作りでも覆したかったからだ。

「もっとも、鉄道模型の店が女性アルバイトを集めるのは、なかなか大変。だから鉄道の“て”の字も出さずに『秋葉原にある古書店。スタッフ募集!』と情報誌に広告を出して集めましたから(笑)」
もっとも、そんな苦労は、すぐ後に反転する。

そして、秋葉原を象徴する店に。

豊富かつ確かな品質の商品が揃え、そのうえレイアウトで「遊べる」魅力を持つ同店は、鉄道好きにとってブランドになった。「秋葉原にいくならポポンデッタに寄ろう」。巡礼ルートの目玉になった。事実、売上もネット通販とあわせて、月商1000万円にまで成長。借りていたビルの立つ土地を購入し、5階建ての自社ビルを建てるに至っていた。

「その辺りは税理士らしい計算もあって。購入したほうが得だという計算もあったんです。やはり要所要所で税務のスキルは役立ちますよね」

スキルが逆に役立つこともあった。これまでは税理士の取引先に何か意見をしても「机上の空論だ」「あなたは経営がわかってない」などとどやされることもあったが、いち経営者としての視点を手にしてから、明らかに言葉が変わった。経営者の辛さや悩みが実感できるようになったからだ。

「視野が広がったんでしょう。なんというか線路が増えた、って感じです(笑)」

『ポポンデッタ』のレイアウト、その線路も爆発的に増えていた。2007年のイオンモール川口グリーンシティを皮切りに、大型商業施設のテナントとして店舗数を年々、増やしたからだ。ショッピングセンターの主要客はファミリー層。中でも主役は主婦を中心とした女性客だ。彼女たちがショッピングしている間、男性客と子供客は、ショッピング中に時間を持て余すことが多々あったわけだ。

「そこをついた。『うちが出店すれば大きなリアルな街のジオラマ線路に、自慢の鉄道模型を持ち込んで、運転できる。男性とお子さんが楽しめる。結果、滞留時間も長くなるはずです!』と最初はそんな風に売り込んでいったんです。前は女性客がこないことに頭を悩ましていたけど、考えてみたら、それが強みにもなると気づいたんです。そもそも僕が彼女とショッピングセンターにいくと時間をつぶすのが大変だったから(笑)」

レイアウトの前にて。鉄道模型は自宅にもどっさり?「というか、作成中のレイアウトがどっさりと(笑)」


着想はあたった。むしろ父親や子供たちが『ポポンデッタ』を目指してショッピングセンターに訪れるように。さらに、今は女性客もどんどん増えている。鉄子と呼ばれる女性の鉄道ファンも増えたし、子供と一緒に鉄道にハマるお母さんも増えたからだ。

「前みたいに、『古本屋です』と誇張せずとも、女性のアルバイトスタッフも応募してきてくれるるようにもなりましたね(笑)」

今では実績を買われ、テナント誘致に四苦八苦するショッピングセンター側から好条件でのオファーが相次ぐほどになった。レイアウトの魅力のみならず、「秋葉原的なもの」を求めて、誘致したがるデベロッパーも少なくないという。

「うれしいですよね。アニメイトさんやまんだらけさんなんかと並んで、たまに秋葉原的と認めてもらえている。それは感慨深いです」

初めて秋葉原に来てからすでに8年。今や『ポポンデッタ』の人気にあやかり、周囲にはさらに鉄道模型を扱う店が集まり、当時は十数件にまで膨れ上がっている。いつの間にか、聖地を牽引する役割を担うほどになっているわけだ。

まだまだ店舗数は国内に50店は増やしたいという。ただ、最終的な夢はドイツにあるような鉄道模型の博物館をつくることだという。

「レイアウトの楽しさをただただ味わうために人が集う。それって素敵なことじゃないですか? 鉄道模型の楽しい文化をとにかくたくさんの人に伝えたい。子供たち、若い世代に、この楽しさを、文化を伝えていきたい、っていう思いが、結局は僕をつきうごかしているんでしょうね……。って、これも税理士的にはどうなんだって発言だな(笑)」

三つめの顔。そういえば秋葉原は、税理士の顔も、ショップオーナーの顔もアリだけど、そんな“子供みたいな笑顔”こそが、よく似合う街だった。

【秋葉原Worker データファイル2】
太田和真(新品・中古Nゲージショップ 株式会社ポポンデッタ 代表取締役社長)

■あなたにとって「秋葉原」とは?
原点であり、永住の地ですね。

■秋葉原でよく使うランチの店は?
『繁栄堂』
裏通りにある渋いお店でお弁当を。僕はハンバーグ弁当ばかりです。

■今の仕事をしていて良かったなと思う瞬間は?
お客様がレイアウトで遊びながら無邪気に微笑んでいる。その姿を見るとき。

【働いている場所】
東京都千代田区外神田3-3-3 Rail Way BLD
新品・中古Nゲージショップ『ポポンデッタ』秋葉原店

定休日:毎月第3水曜日
TEL:03-5297-5530
http://www.popondetta.com/akihabara/index.html

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