小倉昌男、エリック・シュミットの言葉。PHP『the21』6月号で執筆

THE21 2015年 06 月号 [雑誌]

こんにちは、杉山です。
PHP研究所のビジネス誌『The21』6月号で、
以下の記事の執筆・構成を担当しました。

◎「信念を貫いた『宅急便』開発者 小倉昌男の言葉」 瀬戸薫(ヤマトHD相談役)
◎「世の中を変えるサービスを生む グーグルの言葉」 村上憲郎(元グーグル日本法人名誉会長)
◎「本当に日本では『ハイパーインフレ』は起こらないのか」 藤巻健史(参議院議員)
◎「時間割をつくることで、朝の時間を効率的に使う」 藤井孝一(経営コンサルタント)

今回、最も印象に残ったのは、小倉昌男さんの「サービスが先、利益は後」の姿勢。
瀬戸相談役は、離島で宅急便を始めた時、海運会社と交渉し、海上運賃を1000円から200円にしてもらうことに成功。
通常運賃に200円を上乗せするだけで、全国へ荷物が送れるようにしました。
ところが、それを小倉さんに話したところ、NGを出されたそうです。その理由とは--。

面白い記事がたくさんあるので、ぜひ御覧ください。


【イノベーションの参考書・2】イノベーションを起こすならインドへ行け!? 『リバース・イノベーション』

こんにちは、杉山です。

日本で最もわかりやすいイノベーションの本を、と弊社のメンバー3人が執筆した『図解&事例で学ぶ イノベーションの教科書』。
図解&事例で学ぶイノベーションの教科書

この本の内容をさらに深く知ることができる“イノベーションの参考書”第2弾として、『リバース・イノベーション』をご紹介します。

イノベーションはどこで生まれるか。そう聞かれたら、「先進国」と答える人が多いのではないかと思います。やはり最先端の学問や技術のある場所だろう、と。

しかし、リバース・イノベーションは、まったく逆。「途上国で生まれて、先進国に逆流するイノベーション」のことを指します。

どういうことか。本ではスペースの都合で割愛した、アメリカのディア・アンド・カンパニーの例を挙げましょう。

同社は「ジョンディア」のトラクターで知られる世界的企業ですが、インドでは全く売れませんでした。同社の製品は高価な大型トラクターが主体で、所得が低く小規模農家が多いインドでは受け入れられなかったのです。「インドの農業が進化すれば、農家が大規模化し、大型トラクターが売れる」とディアは何年も戦略を変えずにいたんですね。

しかし、ディアは、ついに過ちを認め、新製品の開発に着手しました。

市場調査をすると、「安い」「小回りがきき、操作しやすい」というニーズのほか、日常の交通手段として使ったり、他人に貸し出したりすることから、「耐久性の高さ」も重要だと判明。従来品の延長では満足な製品ができないと判断。設計を根本的にやり直し、製造工程も見直しました。

その苦労のかいあって、インド市場に合った製品が完成。これが当たり、目標を上回る売上を達成したのです。このトラクターは他の国でも評判となり、ディアは世界中でシェアを拡大することに成功したのです。

このように、途上国では先進国とはまったく違うニーズがあることから、製品開発の新しいヒントが見えてくる。また、そうして生まれたものは、実は先進国でも重宝されるというのが、リバース・イノベーションの考え方です。

だいたいの概要は、拙著『イノベーションの教科書』にありますが、より詳しくイノベーションの起こし方を知りたいという人は、『リバース・イノベーション』をご覧になると良いでしょう。

今回の本で、リバース・イノベーションについて書いてから、中進国や途上国で売れているものが気になり始めたのですが、けっこう面白いものがありました。

たとえば、インドネシアで売れている、洗濯板付きの洗濯機。洗濯前にこすりたいそうです。最初はなんで?と思いましたが、確かに1回の洗濯で落ちるか怪しいシミなどがついている時は便利かも。

リバースしそうなアイデアを探してみると、きっと、さまざまなヒントが得られるはずです。


エネルギー問題の鍵を握る「蓄電池」の現状とは?「SMBCマネジメント+」2015年5月号で執筆

こんにちは、杉山です。

SMBCコンサルティング発行の情報誌
「SMBCマネジメント+(プラス)」2015年5月号の
特集記事「蓄電池がつくる新たな社会インフラ」を
弊社・箱田と杉山が一部執筆しました。

箱田が、CASE 1の
「レドックスフロー電池からみえるエネルギー新時代への展望」(住友電気工業株式会社)
杉山が、CASE 2の
「電気を創り、蓄え、賢く使う 生活に広がる『創蓄連携システム』」(パナソニック株式会社)
を執筆しております。

ざっくり言うと、「レドックスフロー」は発電所などに設置する特大容量の蓄電池で、
「創電連携システム」は各家庭で発電・蓄電をするというシステムの話でした。

大量の電力をためておける蓄電池は、エネルギー問題を解決する切り札。
発電所などに設置する大型蓄電池と、家庭に設置する小型蓄電池をうまく使うことで、
発電効率の向上や、有事のリスク低下などがはかれます。
今回の記事をご覧いただければ、そうした蓄電池の現状がよく分かるはずです。

記事は、以下のリンク先で、5月中にご覧になれます!
http://www.smbc-consulting.co.jp/company/mcs/businesswatch/managementplus/


『ディズニー白熱教室』が文庫本になりました

ディズニー白熱教室「仕事で大切なこと」を知る授業 (知的生きかた文庫)

こんにちは!竹内です。

一昨年、編集協力させていただいた
『ディズニー白熱教室 「仕事で大切なこと」を知る授業』が、
いよいよ文庫本化されました。

本書は、アメリカ・フロリダ州のディズニー・ワールドで、
「ディズニー国際カレッジプログラム」を体験した学生たちへのヒアリングを重ね、
このプログラムでいったい何を学んだのか、
言い換えれば働くとは何かを明らかにしたものです。

就活前の学生、新入社員、
また、部下への指導にも役立つ一冊です。

一読すれば、きっとみなさんの職場にも『マジカル・モーメント』が起こる?


【イノベーションの参考書・1】やはりハズせぬ『イノベーションのジレンマ』と、やはりハズさない「煽りパワポ」について。

新潟生まれ、パワーポップ育ちの箱田です。

日本で最もわかりやすいイノベーションの本を、と弊社のメンバー3人で執筆させていただいた『図解&事例で学ぶ イノベーションの教科書』。

図解&事例で学ぶイノベーションの教科書

現在、絶賛発売中なわけですが、前著(『図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書』)同様に、「おおづかみできたけど、もっと深くイノベーションについて学びたい!」という声もあったりするようです。

そこで今回も、我々が執筆のための参考文献にした書籍を紹介。さらにくわしくなるための「イノベーションの参考書」を1冊ずつご紹介していきたいと思います。

まず一冊目は、超名著である『イノベーションのジレンマ』です。

いうまでもなく、ハーバードの経営大学院教授、クレイトン・クリステンセン氏が1997年に発表した論文を一冊にまとめた名著。

「なぜ優れた技術と人材を誇るリーダー的存在の優良企業も、いつしかおとずれる“衰退“を避けられないのか?――」。

そんな経営における長年の疑問への解を、わかりやすく解明した大ベストセラーですよ。

ざっくりと、その解を紹介しますと、下記のような感じでしょうか。

1.「優良企業は顧客の声を聞き、着実に製品やサービスの性能を向上させていく」

2.「ところがあるとき新参の企業が、新しさはあれど低性能・低品質の製品やサービスを投入。低性能・低品質であるがため、当初は主流市場には無視されるが…」

3.「いつしか新参企業の製品やサービスも高性能・高品質化して、既存の優良企業がとっていた主流市場でも支持されはじめる」

4.「一方、これまでどおりに性能や質を向上させてきた優良企業の製品やサービスは『そこまでの高品質なものはいらない!』と顧客からそっぽをむかれはじめて…」

5.「てな結果、優良企業は『お客さんの求めるとおりがんばったのに…ぐぬぬ』というジレンマを抱えて衰退に向かう…」

こうした「破壊的イノベーション」によって、これまでの優良企業がやられる様を、

ハードディスク業界における栄枯盛衰。
掘削機業界における蒸気式から油圧式への変革・
北米バイク市場で、ホンダに侵食されていったハーレー・ダビッドソン。

などを例に上げて、クリステンセン先生は丁寧にひもといてくれているわけです。

そのうち「ああ、これってうちの業界にもおこりうるなあ」「あの製品ってまさにそれだよなあ」と自分に引き寄せながら読める。
実にすばらしい参考書であります。

で、あるのですが、
事例がちょっと古かったり、業界が違うと、馴染みにくかったりもしたり。

その結果、「実のところクリステンセンの本を持っているが、96ページで読むのをやめたままだ…」などという方も少なくないと思いますので、クリステンセンの破壊的イノベーションとイノベーションのジレンマについてもわかりやすく解説した、『図解&事例で学ぶイノベーションの教科書』は、かさねてオススメする所存であります。

(キンドル版もありますしね)
図解&事例で学ぶイノベーションの教科書

あるいは、私と同郷のこの方のこちらの「煽りパワポ」によるプレゼンテーションも、より深く破壊的イノベーションを理解するうえで極めて参考になるかもしれません。ならないかもしれません。

何卒よろしくお願い申し上げます。