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労働市場に客観的な尺度が登場

日本の企業は、長年終身雇用を続けてきたため、組織でも、仕事のやり方でも、評価方法でも、それぞれ独自の進化を続けてきました。ですから、A社で優秀だった社員が、全く環境が違うB社に転職すれば、まるで役立たないといったことが起こりましたが、こうした問題は、まもなく解決されそうです。以下NIKKEI NETより引用。

働き手の実務能力を業種ごとに客観評価する新たな検定制度が2011年度にも創設される見通しだ。「介護」や「観光」など雇用拡大が見込める分野で、業界ごとに実務経験などを加味した能力水準を定め、再就職や転職に生かせる仕組みをつくる。労働市場の柔軟度が高い英国など欧州の制度にならって求職者が身につける技能の目安を示すほか、企業が労働者を雇う際の判断材料としても活用を促す。厚生労働省は制度導入を後押しし、雇用市場の活性化につなげる。
(中略)
検定での評価は転職などの際の「お墨付き」と位置付けられるほか、求職者にとっては就職を目指す業界で必要な技能がわかり、職業訓練などへの活用が期待される

客観的尺度が登場すれば、働き手は、自分の年収を客観的に比較できるようになります。その結果、みんなの賃金が上がるのか、企業内格差が広がるのか、産業内の賃金が標準化されていくのか、もしくは転職が活発化して能力相応の賃金が払える強い企業がますます強くなるのか…。その行方には、しばらく注目ですね。
[NIKKEI NET]介護や観光、働く技能にお墨付き 11年度にも検定制度
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20100218ATFS1600V16022010.html


急な仕事でも「お迎え」頼めるSNS

千葉県柏市で、働きながら子育てをする母親の支援システムの実証実験がスタートしました。具体的には子供の送迎を代わりにしてくれる人や、保育所の時間外で預かってくれる人を専用のSNSで探すといった、非常に先端的な試みです。以下、毎日.jpより引用。

サービスの入り口となるのはコミュニティーサイト「かしわ あぃあぃ広場」。3種類のサービスが提供される。
 「送迎・あずかり支援サービス」は、働きながら子育てをする母親と、地域の協力者がそれぞれSNSに登録して使う。預けたい母親が携帯電話やパソコンで依頼内容を入力すると、複数の協力者にメールが届く仕組みで、急な仕事の場合もこれまでより早く代わりを探せるという。協力者は指静脈を登録し、保育園などで認証する。
 連絡システムの「デジタル連絡帳・伝言板」は、学校から家庭への連絡事項を、電子掲示板で確認できるほか、家庭に設置した小型ネット端末「チャンビー」を通して、子どもの帰宅を両親に知らせる仕組み。チャンビーはネットに接続してニュースなどを再生できるが、パソコンや携帯電話のように子どもがほかのサイトを見ることはできない。
 また、柏市立田中小学校の約40人がモニターとして参加し、ICタグを使って子どもの登下校を携帯電話などにメールで配信する「子ども見守りシステム」を実施。同市は、子育て支援のためのポータルサイトを中心に3サービスを試験提供し、実用化を検討する。

インターネットを使って、地域の人々で子育てを応援するこの仕組みが成功すれば、子供を持つ女性がより働きやすい社会に一歩近づくことでしょう。今後の展開に注目です。
[毎日.jp]千葉・柏市:急な仕事でも「お迎え」頼める 専用SNSで働く母親支援
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100215mog00m020040000c.html
柏で子育て口コミ&サポートサイト「かしわ あぃあぃ広場」
https://kashiwa-aiai.jp/


技術を活かして修理に特化が復活のカギ

消えてしまって、初めて、その重要性に気づくーー。かつては、どの商店街にもあった時計・貴金属・メガネの専門店は、そうした存在の一つだといえるでしょう。郊外の大型店や安売り店との競争に敗れて、その多くが消えていきました。「時計の電池を取り替えたい」「メガネの不具合を直したい」…。こんな時には、遠くまで足を運ばなければならなくなりました。
ここにビジネスチャンスを発見したのが、東海地方を中心に48店を展開する「ジェムウォッチ」です。同店では、店舗の廃業で第一線を離れた職人の技術を生かし、時計や貴金属、眼鏡の修理に特化した時計店のチェーン展開をしています。以下、CHUNICHI Webより引用。

社長の瀬口良人さん(62)の思いは、街から失われた個人商店の役割の復活だ。
 ジェムウォッチの前身は、瀬口さんが1990年に脱サラして始めた時計・貴金属・眼鏡の複合販売店。一時は順調に業績を伸ばし、店舗も3つに増やしたが、大手量販店との価格競争に限界を感じていた。
 「コストでは大量仕入れが可能な量販店にかなうわけがない」
 あらためて収益構造を分析し、修理事業の利益率が際立って高いことに着目。96年度に小売りからの撤退と、時計や貴金属の修理・リフォームに特化することを決意した。
 目指したのは“街の時計屋さん”の復活だった。「時計の電池を交換したくても、街に時計店がない。大量消費、効率化の論理の中で、個人商店が持っていた街の機能が失われている」。こんな思いから既に廃業した時計・宝飾店の店主、勤め先が廃業した修理職人らを雇用。主要な店舗に配置した。
 職人の確かな技術は好評を集め、ジェムウォッチの店舗で昨年1年間に取り換えられた時計の電池数は約21万個に上った

同社のやり方を見ると、うまいシステムを構築すれば、零細商店が生き残る可能性は十分にあることが分かります。また、技術を持った高齢者が活躍する場づくりのヒントも得られそうですね。
[中日新聞]街の時計屋復活 東海などで展開「ジェムウォッチ」
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/vseed/CK2010021702000194.html


『1年戦争手帳』発売。

「こいつ、使えるぞ」とガンダム好きのビジネスマンをうならせてくれるであろう、「機動戦士ガンダム1年戦争手帳 2010年度版」が発売されます。これは、アニメ『機動戦士ガンダム』の舞台となった宇宙世紀0079年から0080年までのいわゆる「1年戦争」をテーマにした手帳。週の予定を書き込むページには、1年戦争の出来事や名台詞なども載っているのだとか。さらに、宇宙世紀年表や登場キャラクター相関図、ホワイトベースの航行マップなどファンにはたまらない情報ページも付いています。
こちら、見た目はダークグリーンのシックな手帳なんですが、いっそのこと真っ赤なカバーの「シャア専用」もつくって、「3倍仕事が早くなる」のうたい文句で売り出す、というのはいかがでしょう?
[ガジェット通信]宇宙世紀0079年を体感せよ! 『機動戦士ガンダム1年戦争手帳 2010年度版』
http://getnews.jp/archives/47504
プレミアムバンダイ
http://p-bandai.jp/item/item-1000004693/


車椅子のちんどん屋さん登場!

まさに逆転の発想――。ベンチャービジネスの成功譚で、よく聞かれる常套句です。そういう意味でも、この先楽しみなニュービジネスが、大分県で立ち上がりました。以下、山陽新聞より。

 大分県別府市のNPO法人「自立支援センターおおいた」が、車いすに乗ってイベントや企業をPRする「ちんどん屋さん」を始め、注目されている。車いす利用者が普段の生活で感じる周囲の人々の視線を逆手に取った発想。同センターは「ビジネスとして成立させたい」と意気込む。
「車椅子泉伝志団」と名付けたメンバーの大半は車いす利用者。「街に出るとジロジロ見られる」体験をチャンスととらえ「どうせ見られるなら目立ってしまおう」と発案し、昨年6月に市の助成事業として開始した。
 車いすの前後に看板を取り付け、扮装用マスクをかぶってそろいの上着を着用、音楽を流してにぎやかに市中心部を練り歩く。自らも車いすを使う同センター職員の福田浩範さん(39)は「車では行けない細い路地にも入れる」とメリットと話した。
 市の助成は既に終了、今後は1回5万円で宣伝を請け負う。

車イスの方々に新しい働き方を提供した、というのみならず、瀕死の業態であっただろう「ちんどん屋さん」の再生に繋がりそうなのも、実に痛快です。
[山陽新聞]車いすで「ちんどん屋さん」 視線を逆手、ビジネスに
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_k/news/d/2010021501000072/