技術を活かして修理に特化が復活のカギ

消えてしまって、初めて、その重要性に気づくーー。かつては、どの商店街にもあった時計・貴金属・メガネの専門店は、そうした存在の一つだといえるでしょう。郊外の大型店や安売り店との競争に敗れて、その多くが消えていきました。「時計の電池を取り替えたい」「メガネの不具合を直したい」…。こんな時には、遠くまで足を運ばなければならなくなりました。
ここにビジネスチャンスを発見したのが、東海地方を中心に48店を展開する「ジェムウォッチ」です。同店では、店舗の廃業で第一線を離れた職人の技術を生かし、時計や貴金属、眼鏡の修理に特化した時計店のチェーン展開をしています。以下、CHUNICHI Webより引用。

社長の瀬口良人さん(62)の思いは、街から失われた個人商店の役割の復活だ。
 ジェムウォッチの前身は、瀬口さんが1990年に脱サラして始めた時計・貴金属・眼鏡の複合販売店。一時は順調に業績を伸ばし、店舗も3つに増やしたが、大手量販店との価格競争に限界を感じていた。
 「コストでは大量仕入れが可能な量販店にかなうわけがない」
 あらためて収益構造を分析し、修理事業の利益率が際立って高いことに着目。96年度に小売りからの撤退と、時計や貴金属の修理・リフォームに特化することを決意した。
 目指したのは“街の時計屋さん”の復活だった。「時計の電池を交換したくても、街に時計店がない。大量消費、効率化の論理の中で、個人商店が持っていた街の機能が失われている」。こんな思いから既に廃業した時計・宝飾店の店主、勤め先が廃業した修理職人らを雇用。主要な店舗に配置した。
 職人の確かな技術は好評を集め、ジェムウォッチの店舗で昨年1年間に取り換えられた時計の電池数は約21万個に上った

同社のやり方を見ると、うまいシステムを構築すれば、零細商店が生き残る可能性は十分にあることが分かります。また、技術を持った高齢者が活躍する場づくりのヒントも得られそうですね。
[中日新聞]街の時計屋復活 東海などで展開「ジェムウォッチ」
http://www.chunichi.co.jp/article/economics/vseed/CK2010021702000194.html


カテゴリー: ニュース | 投稿日: | 投稿者:
sugai

sugai について

1982年山形県南陽市生まれ。『BIGtomorrow』『PCfan』『週刊 東洋経済』などに記事を寄稿。所属する株式会社カデナクリエイトではIT担当として、TwitterのレクチャーからWordPressでのブログ構築まで手広くこなす。