第10回 『ポッドキャスト』で英語学習 ~世界のニュース編~

「楽天やユニクロが、社内公用語を英語に!」。
そんなニュースに「黙っちゃいられない」と立ち上がった、弊社・カデナクリエイト。今年9月から、週1回、英会話教室が始まりました。
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オフィスにネイティブの英語講師を招き、習得に励んでおります。

ま、仕事で英語を使う場面は、あんまり、というか、ほとんどないんですが。

それにしても…、自分の英語力が予想以上に低いことに愕然としました。先日の海外旅行で十分認識したつもりでしたが(第8回参照)、改めて傷口に塩を塗られた感じ。
講師の先生は、簡単な単語で、かなりゆっくり話してくれているのに、全然聞き取れません。恥ずかしい話、「Today We are going to learn about KATAKANA words.」が聞き取れませんでしたから…。少しでもヒアリング能力を鍛えねば!

ヒアリング能力を上達させる手はいろいろあると思いますが、僕は、「PODCAST(ポッドキャスト)を利用し、iPodで英語ニュースを聞く」ことにしました。
理由は、得意の受け売りで、先日取材したグーグル日本法人の村上名誉会長が、「ヒアリング能力を鍛えるには、とにかく量! ナチュラルスピードの英語を聞きまくりなさい!」とおっしゃっていたから。英語ニュースなら、時事問題のチェックもできて、一石二鳥な気もします。
毎朝、自宅のPCでダウンロードして、往復1時間の通勤電車で聞く。300日続ければ、年間300時間の学習が――。なんて効率的な。うまくいけば、杉山システムの歴史の1ページに刻まれることでしょう。

さて、日本版のiTunes storeを見ると、さまざまな英語ニュースのポッドキャストがあります。どれがいいのか見当がつかないので、片っ端から試しました。

最初に試したのは、イギリス・BBCのポッドキャストです。
iTunes storeだけだと、何があるか調べにくいので、BBCのホームページを見てみると、番組数が278もありました。「週刊マンチェスターユナイテッド」(http://www.bbc.co.uk/podcasts/series/manutd)なんて一つのサッカーチームに特化したものもあります。
とりあえず、世界のさまざまなニュースを取り上げる(らしき)「Newspod」「Global News」と、世界のビジネスニュース(らしき)「World Business News」「Business Weekly」の4つをダウンロード。
しかし…、正直なところ、僕の英語力で、海外のニュースを耳だけで聞くのは時期尚早過ぎました。iPod上でニュースの見出し一覧は見られるので、何を話すかは聞く前に分かるのですが、それでも太刀打ちできません。

そこで目を付けたのが、動画付きのビデオポッドキャストのニュースです。ニュース映像があれば、少しはヒアリングの足しになるのでは、と。
まず、アメリカ3大ネットワーク(ABC・NBC・CBS)が、いずれも似たようなニュース番組のビデオポッドキャストを配信していました。

「NBC NIGHTLY NEWS」
(http://www.msnbc.msn.com/id/3032619/)
「ABC World news」
(http://abcnews.go.com/Technology/Podcasting/)
「CBS Evening News」
(http://www.cbsnews.com/stories/2007/01/29/podcast_eveningnews/main2407226.shtml?tag=contentMain;contentBody)

どれも夜のニュース番組で、1回20分強。最新の時事ニュースや特集コーナーが見られます。
3つを見比べ、最も気に入ったのは、「CBS~」。この女性キャスターが一番聞きやすい、てか美人でした。が、なぜかCBSは僕のiPod nanoでは同期できず…。
また「ABC~」は、やたらダウンロードに時間がかかることが判明。それもそのはず、サイズはNBCの2倍、CBSの4倍の200MBでした。自宅のPCは3年前に買ったXP。しかも、回線は1メガADSL。200MBは厳しいなぁ。
結果、渋いキャスターの「NBC~」に決定。

が、NBCだけというのもつまらないので、その他のビデオポッドキャストも試してみました。以下、レビューです。

「CNN Student NEWS」
(http://edition.cnn.com/services/podcasting/)
中学、高校の先生が教材として使うことを想定しているようです。毎日、1つのニュース(10分程度)が配信されます。確かに学生向けだけあって、聞きやすいか?

「NYT’s Business」
(http://itunes.apple.com/jp/podcast/nyts-business-video/id323244169)
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我がNewWorkTimesが勝手にライバル視しているNewYorkTimesのポッドキャスト。いくつかあるうち、「Business」をチョイス。アメリカの石原良純が商品紹介をしていました。いつも登場するわけではないようです。

「ABC Nightline」
(http://abcnews.go.com/Technology/Podcasting/)
前述のABCの別コンテンツ。ニュースの特集コーナー1つ(10分程度)を配信。最新のものでは、「グルテンフリー食品はヘルシーか?」という特集をしてました。さらっと見れて、なかなか面白いです。

Euro news「no comment」
(http://www.euronews.net/services/podcast/)
EU地域の英語版ビデオポッドキャストは数が少ない模様。ようやく見つけたのが、コレでした。が、見てみると、音声なし! まさしく“ノーコメント”。

「AL jazeera Listening Post」
(http://english.aljazeera.net/programmes/listeningpost/)
カタールの衛星放送局「アルジャジーラ」が、英語版のニュース番組を配信していました。中東情勢だけでなく、世界各地の話題を扱っています。

「Mosaic News」
(http://www.linktv.org/mosaic)
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ヨーロッパの他、UAEやレバノンなど、中東各国の放送局も連携しているようで、各放送局のニュースが見られます。イランの女性キャスターはヒジャーブ(スカーフ)で頭を覆い隠していました。イスラムな雰囲気が味わえます。
以上、いろいろ試した結果、一番のコンテンツは以下でした。

「NW English News」
(http://www.nhk.or.jp/daily/english/)
NHKニュースの完全英語バージョンです。世界のニュースを駆けめぐってきましたが、最終的には渋谷に戻ってきてしまいました。
NHKはビデオポッドキャストではないのですが、日本に関するニュースなので、単語で何となく意味が分かります。結局、海外のニュースだと、映像を見ても、意味が分かりにくく、モチベーションが保ちにくい、と感じました。

ということで、NHKを基本に、海外のものをパラパラ見る生活を1カ月程度送ったのですが、早くも飽きてきた…。そこで、別の分野の英語ポッドキャストを探し始めました。次回に続きます。


ライバルの製品名言っちゃいました!

インタビューでは、気持ちよく相手に話してもらう雰囲気づくりが大切ですが、時には、そんな雰囲気を台無しにするミスを犯してしまうことがあります。典型は取材相手の名前や社名や製品名を間違えたりした時。また、ライバル社のサービスや製品と混同したり、製造していると知らずにライバル社を誉めてしまうという恐ろしいミスもあります。
今、考えても青ざめるのは、さかのぼること数十年前。某家電メーカーの消費研究所の所長さんに、ライフスタイルと家電のデザインや色の変化についてお話を伺った時のことです。所長さんは、論客としても有名な方だったので、あらかじめ論文やインタビュー記事などを念入りに読み、準備万端(のつもり!)で臨みました。
私:「お話をテープにとっていいですか?」
当時はICレコーダーはまだありません。
私は、テープレコーダーを前に置きました。
所長:「それは、何ですか?」
私:「は? ウォークマンですよ!!」
当時はウォークマンの全盛時代でしたが、所長さんは、かなりの年輩。恐らく、録音機能つきのウォークマンを知らないのでしょう。
「このマイクを使えばステレオで録音できるんですよ。カセットテープのケースにマイクをはさんで固定させてるのは、けっこういいアイデアでしょ?」
私は、自慢の真っ赤なウォークマンを見せながら、一生懸命説明してあげました。
所長:「……」。
そのまま滞りなく取材は終わったのですが…。
後日、テープ起こしをしている時に、ふと気づきました。
よく考えれば、家電メーカーの研究所の所長がウォークマンを知らないはずはありません。
「それは、何ですか?」=「ほほう。それはソニーさんの製品ですな…」という意味に違いありません。本来なら、「いつもは御社の製品を使っているのですが、今日は、たまたま調子が悪くてソニーさんのを使ってるんですよ(笑)」などと応えるべきだったのに、ウォークマンの説明をトクトクとしてしまいました。
う~~~~。恥ずかしい! 研究所ということばにひっぱられて、メーカーだということをすっかり忘れていました。
このようなミスを防ぐためには、下調べをしっかりするしかありません。取材とは直接関係がなくても、関連会社、広告、業績、ヒット商品などをきっちり調べることで、新情報はもちろん、忘れていた情報を思い出すこともあります。思いこみも訂正できるはずです。当然、今では、ライバル社を誉めるような大失態はなくなりましたが……。
ミスタードーナッツとダンキンドーナッツの言い間違え、小諸そばのメニューと富士そばのメニューの混同といった思いこみと勘違いは、なかなか無くなりません。まだまだ下調べが足りないようです。決して、年のせいではありません。
■今回の失格言
『気をつけよう思いこみと勘違い』


第8回 真っ青になりました。~取材の時のファッションとは?~

振り返ると、今夏は実に暑かった。
インタビュアーにとって…というよりも「汗だく星人」な私にとって、夏の暑さは実にキツいものです。
なにせ夏場の取材となると、私はオールウェイズ・汗だくだく。
だから、必ずインタビュー相手に言われるのです。
「あ、暑かったら、どうぞジャケット脱いでください」(←はい。と即座に脱ぎます)
「ああ、エアコンちょっと強めますね」(←助かります)
「あれれ、今日、雨ふっていましたっけ?(笑)」(←いじめでは?)
だったら、最初からポロシャツなりでいきゃいいのに、という話もあるのですが、基本的に取材の際は「相手と似た格好をする」というのがセオリーです。
例えば、びしっとしたカタめのビジネスマン相手なら、やはりこちらもスーツにネクタイで伺う。逆にこだわりもったアメカジショップオーナーが相手なら、例えばこちらもチノパンにデニムシャツで、といった具合です。
「スーツならば失礼は無いだろう」と思われる方もいるかもしれませんが、ジーンズにTシャツ姿の相手の前に、ガチガチのダークスーツのインタビュアーが現れたら「なんだか話しづらいな…」となかなか胸襟を開いてもらえないものです。逆に、年配の会社社長の前に穴のあいたジーンズ姿で現れたら、怒られかねません。
ようするに、インタビュアーにとってのファッションは、自分ではなく「相手のためにある」と考えるのが正解。良い記事を作成するためには“気持ちよく相手に話してもらう“ことがなにより大事だからです。ファッションはそのための環境づくりであり、インタビュアー自身のファッション・ポリシーやら好み、はては「暑い・寒い」なんて二の次、三の次になる、というわけです。
その日も、暑い、暑い夏の日でした――。
媒体は独立起業に関する情報誌。
取材相手はネットでショッピング代行を手がけていた個人事業主の方。
カタからず、やわらかすぎず、という職業の相手だったので、守備範囲の広い「ノーネクタイでジャケット着用」というスタイルで、取材先の渋谷のカフェにうかがいました。
「あ……ハンカチ忘れた」
それに気づいたのは、当時住んでいた最寄駅に着く直前でした。これから家まで戻ってハンカチ一枚を取りに行くのは、実に億劫。なので、駅前の100円ショップにてバンダナを購入。これをハンカチとして使うアイデアを採用しました。
「ヴィンテージのアメリカ古着なんかも扱っている人だから、バンダナって感じかな」
中途半端に色気を出したのが、いけなかったのかもしれません。
取材そのもは実にスムーズに進行しました。
「学生時代からずっとファッションが好き」「しかし、地方都市の田舎町ではほしいものが手に入らない」「雑誌でみたあのブランドがほしいから上京していた」「出費と時間が実に無駄」「ならば『かつての自分』を相手にビジネスを!」「そして思いついたのが、ブランド品のショッピング代行だった」。
スムーズじゃなかったのは、取材場所となったカフェの空調。35度近い猛暑のせいか、極めて効きが悪く、取材序盤から私の額や脇は汗ダクダクに。あっというまに汗だく星人になっていたのでした。もっとも――。
『100円でバンダナ買っておいてよかった』
密かにそう思いながら、噴き出る汗をぬぐいつつ、ふんふんと取材はつづいていました。
が、そのとき突然、取材相手の表情が一変。
そして、こんな一言を私に放ちました。
「あの……顔、青いですよ」
え? そんなまた。えらく暑いとはいえ、顔面蒼白になるほど体調悪くないですよ~、なんて笑って返したのですが、「そうじゃなくて」と返されつつ、同行していたその方のスタッフに小さな手鏡を渡されました。
そして、驚きました。
『白昼、渋谷のカフェにブルーマン(http://blueman.jp/dir/about/index.html)あらわる!』
いや。あそこまで青くないのですが、何か青鉛筆で雑に塗りまくったかのように顔全体がうすら青く。理由はもちろん、青いバンダナ。噴き出る汗を拭うたび、未洗濯のバンダナから染料が、私の顔にいちいち塗布されていった、というわけです。結果、不健康というか不気味というか、まるで不可思議な青いいきものが誕生。”汗だく”を退けようとした結果、「星人」だけが残ってしまった、というわけです。
以来、私のジャケットのポケットにも必ずハンカチが入っています。
さらに取材バッグには、必ず予備ハンカチと予備予備のタオルハンカチまで常備する気合の入れようです。
もちろん、色は青以外で。
■今回の失格言
バンダナを買ったら、必ず洗濯してから使うべし。


『超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか』をやってみた。

超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか編集部のメンバーが最近読んだ“シゴトに関する書籍”を自ら実践。その「はたらき心地」をレポートするという、安易なプラグマティズムにもとづいた書評コーナーなのです。
<今回のやってみた本>
『超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか』(小松 易/著 マガジンハウス)
<今回のやってみた人>
須貝

今回はデスクの片付けに挑戦。

「けっこう机、きたないよね」
と、先日会社の先輩に言われた。私自身、密かに気にしていたことだったので、「思い切ってデスクを片付けよう!」と決心。某誌の書評の仕事で出会った本を実践してみることにした。タイトルは『仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか』。日本初の片付け士・小松易さんによるデスクの片付けのノウハウが詰まった一冊だ。著者によれば「机がキレイな人は頭の中もきれいに整理されていて、仕事もできる」ということらしい。確かに自分の周りを見渡してみると、そんな気がする。
で、私の机はこんなかんじだ。
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かなりきたない。そしてなぜか小銭が散らかっている。こんな状態をいったいどうすればよいのか。本書によればそもそも片付けは「整理」と「整頓」の2つから成り立っているという。そして、整理は「物を減らすこと」、整頓とは「物を使いやすい場所に置くこと」。つまり片付けとは、物を減らして使いやすく配置することなのだ。
著者によればデスクの片付けの理想は「机の上にパソコンと電話のみ」。軽くやりすぎ感が漂うが、黙って実践しよう。本書は片付けの手順が非常に具体的に記してあるので、書かれた通りに実践すれば整理整頓ができるようになっている。
はじめは引き出しの整理から。
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あらためて冷静に見ると相当きたない。
これをどうするかというと、中身を「全部外に出す」!
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外に出す作業、完了。
中身を全部外に出す理由は2つあって、「すべてのものが見渡せるので効率が上がる」のと「減らす覚悟ができる」のだそうだ。確かに早く減らしてしまいたい。
次に「要」「不要」に分けて、不要としたものを減らす。
普段使っていない余分なボールペン、「不要」。
全く使っていない液体のり、「不要」。
数カ月前に終わった秋葉原ホビーまつりの抽選券、「不要」。
こんな地道な作業を続けた結果……。
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ほぼすべての物が「不要」だったという衝撃的事実が判明した。
よく使うペン2~3本や電卓といった限られたアイテムだけが残った。
同じ要領でデスクまわりをすべて整理整頓!
デスクの棚に眠っていた1年以上前の書類や雑誌のバックナンバーといった不要な物を大幅に削減。さらにパソコンの本体はデスクの下へ移動。よく使う書類もすべて右下の引き出しの中に収納した。
そして最終的に……。
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目標としていた「机の上にパソコンと電話のみ」が実現した。一瞬、「今日で退職する人のデスク」に見えなくもないが、非常にスッキリしていて良いと思う。ついでに自宅であまっていたパソコンのモニターを持ってきてデュアルモニターにしてみた。
さて、この状態になってからすでに1か月ほど経った。とにかくデスクが広いので、毎日非常に気持よく仕事ができている。原稿を書くときに、机に資料をたくさん広げて作業をしてもまったく邪魔にならない。
それと、何と言ってもモニターが2台になったことが大きい。PCでの作業効率が飛躍的に上がった。例えば右のサブモニターでブラウザを開きながらメインモニターで文章を打つ、メールソフトをサブモニターに映したままメインモニターで他の作業をする、なんてことができてとても快適だ。
……と、いつのまにかデュアルモニター環境を勧めてばかりいたが、それもこれも机の上をキレイに片付けたからこそできた話。ぜひ、デスクの片付けにチャレンジして成功した暁にはモニターを2台にしてほしい。きっと、今より「仕事ができる人」になるはずだ。

超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか

超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜデスクがきれいなのか

  • 作者: 小松 易
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2010/06/24
  • メディア: 単行本




第9回「『LastPass』で、パスワード増えすぎ症候群サヨナラ?」

身の回りのことをできるだけシステム化・効率化することを目指す「杉山システム」。今回は、「IDとパスワードの管理」です。

「インターネットサイトのIDとパスワードが増えすぎて、収集がつかなくなっている」。これ、僕だけでしょうか? 通販サイトに情報系サイトにネットバンキング、と会員登録しているサイトは年々増える一方。数えてみたら、サイト数は約40。IDとパスワードはそれぞれ10種類以上もありました。

すべて同じIDとパスワードにできれば良いのですが、IDは自分で選べないこともありますし、パスワードはすべて同じだと安全性に問題がある。サイトによっては、10ケタ前後の複雑なパスワードが求められることもあります。その結果、やたらと増えてしまったわけです。
一部のIDやパスワードは、Internet Explorerなどブラウザの登録機能を使って自分のPCに覚えさせていますが、ネットバンキングや通販サイトなどのパスワードは、安全性の面で、自分のPCに保存したくない。
そこで、アナログな僕は手帳にメモって整理しているのですが、これはこれで問題なのは重々承知しております。2年前、電車で泥酔&爆睡中にバッグごと盗まれたことがあり、この時は財布以外戻ってきたのですが、そんな幸運はめったにないでしょう。ケータイのメモに入力し、ロックをかけておく手もありますが、ロックをかけ忘れて、落としそうな気も。
うーん、なんとかならないものか。

そこでちょっと調べてみたら、最近は、無料でダウンロードできる「ID・パスワード管理ツール」がいくつもあるんですね。

機能はどれも似通っているようで、基本的には、数多くのサイトのIDとパスワードを一括登録することが可能。そして、このツールを経由して、登録済みのサイトにアクセスすると、IDやパスワードを入力することなく、自動ログインできます。ツール自体のIDとパスワードは打ち込む必要がありますが、それだけ覚えておけば、何十ものサイトが一括管理できるというわけです。
他のPCからでも使えるツールを選べば、会社でも家でも利用可能。ものによっては、スマートフォンでも使えるようです。気になるのはセキュリティですが、どのツールも、セキュリティの堅牢さが自慢の様子。これはけっこう良いかも?

手始めに、ヤフーでダウンロードできる『MoneyLook』を試しました。
ID・パスワード管理だけでなく、資産全体を管理できるツールで、銀行や証券会社、カード会社の資産状況、ポイントサイトの保有状況も管理できました。かなり優れたツールですね。ただ、そこまでいくと、資産を握られているようで、ちょっと恐ろしい気がしなくもない…。また、通販サイトや情報系サイトのパスワードは管理不可。そういうサイトも、まとめて一括管理したいんだよな。

という条件で探したところ、アメリカのベンチャー企業が提供している『LastPass』というツールが良さそうでした。
サイト登録の仕方は簡単で、ツールをダウンロードした後、登録したいサイトにログインすると、「このパスワードを登録しますか?」とメッセージが表示されます。
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YESとクリックすれば完了。あとは、ツールを立ち上げると、登録サイトが一覧で表示されます。
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これをクリックすれば、自動でログインできました。そして、会社で登録を済ませた後、自宅のPCにこのツールをダウンロードし、アクセスしたところ、ほとんどのサイトは自動ログインできました。こりゃ便利!

ただ、一つ気になったのは、『LastPass』の運営会社を信じられるかどうか、ということでしょうか。このサイト、日本語版があるのですが、これが、いかにも翻訳ソフトで翻訳した日本語。経営陣のプロフィールを見ると、「市立大学のフットボールのことではいつも楽天的です」などとワケがわからないことが書いてあります。ちなみに、全員ポロシャツ姿で、やたら陽気な笑顔。トップページに戻ると、「キャッチやだましではありません」。…信じられる人には、良いツールだと思います。

結局、僕はどうしたか? 情報漏洩しても実害が小さそうなサイトだけ『LastPass』を使い、あとは手帳にヒントだけ書いて、自分の頭で覚えることにしました。最強のセキュリティシステムは我が頭脳かな、な~んて。

まぁ、さっそく昨日登録した『MoneyLook』のパスワードを忘れましたが…。