月別アーカイブ: 2010年7月

ノマドワーカーにオススメ? 透明マウスって何だ。

確かにiPhoneやiPadのタッチパネルは心地よい。官能的ですらあります。
しかし長文作成やプレゼン資料づくりといったシゴトでPCを使うとなれば「キーボード+マウス」のインターフェイスに軍配をあげる人は多いはず。
でも、あの本体からぴろんと伸びたコード、邪魔じゃないですか? ってことで、赤外線マウスが生まれたのですが、さらに一歩進んだマウスが登場したようです。
その名も「透明マウス」。
以下、『WIRED VISION』より。

MITの研究者たちが、ワイヤレスなコンピューターマウスからさらに進化した「透明なマウス」を開発した。
手のひらを丸い形にして机の上を動かしたりタップしたりすると、コンピューターはそれに反応する。
このプロジェクト『Mouseless』では、赤外線によるレーザーとカメラを利用している。プロジェクトを率いるPranav Mistry氏によると、実際に稼働する試作品は約20ドルで製作されたという。Mistry氏は以前、トム・クルーズの映画『マイノリティ・レポート』に出て来たようなインターフェース、『Six Sense』プロジェクトで有名になった人物だ。
実際に製品化される可能性はあまり無いだろう(現在のUIは、マウスによるポイント&クリックを超えたものになってきているし、マウス自体安いものなので、代替製品の必要はあまり無い)が、楽しいプロジェクトといえる。

と、『WIRED VISION』はシメていますが、カフェやロビーなど「どこでもシゴトをするノマド・ワーカー」なんかには、マウスを持ち歩かずともマウス操作ができるとなればら、それなりに需要がありそうです。
まあ、何もない机上で人差し指を「コツコツ…」なんて叩いていたら、やたらとイライラしている人、にしか見えなそうですが。
[WIRED VISION]「ワイヤレスがさらに進化、透明なマウス(動画)」
http://wiredvision.jp/news/201007/2010071220.html


はたらく場をもっと楽しく! 「オフィスの広場」オープン

はたらく場をもっと楽しく! そんなコンセプトを掲げたオフィスの総合情報ポータルサイト「オフィスの広場」が、7月7日にオープンしました。
運営するのは、仕事環境の企画・構築を手がけるリンクプレイス。オフィスの移転や環境向上を図りたい企業担当者のサポートが目的で、空室物件紹介(これは9月から開始予定)、オフィスに関するQ&Aコーナー、業界キーパーソンのインタビューなどのコンテンツを揃えています。こう書くと法人向けっぽいのですが、オフィス小物紹介のような、個人も楽しめるコンテンツもあります。
なかでも気になったのが、「オフィスINDEX」。リンクプレイスや他社が手がけたオフィスの紹介をするコーナーで、現時点でも80件以上のオフィスの様子が閲覧できるのですが、これがうらやましい。
緑豊かで明るい楽天、ポップな雰囲気のマースジャパン、南国風のフリーウェイツーリスト、ダーツやビリヤード台が置かれたリンクアンドモチベーション…。なんとも楽しそう、かつ仕事がはかどりそうな職場です。
ちなみに、弊社はこんな。
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オフィスINDEXを見て、「いつか、あんなオフィス環境で仕事をするぞ!」とモチベーションを高めたのは、言うまでもありません。
オフィスの広場 http://www.office-hiroba.com/


婚活を支援する「お結び課長」募集中

地方自治体が観光課長を全国から公募。なんて話はけっこう増えてきた気がしますが、ちょっと変わった公募を見つけました。その名も「お結び課長」。婚活支援の専門職だそうです。以下、朝日新聞より引用。

佐賀県武雄市が結婚を望む市内の独身男女の婚活支援をする「お結び課長」を、30日まで全国から公募する。課は9月に発足し、年間10組のカップル誕生を目指す。基本給与は月額8万2200円で、結婚が1件成立するごとに3万円が歩合加算されるという。2年間の任期だが、「成績」によっては更新もある。
 50歳時点で、一度も結婚歴のない「生涯未婚率」は同市の場合、男性15%、女性6%と全国平均並み。だが、「地域の暮らしを維持するという意味から行政の立場として座視はできない」と、「専門職」導入に踏み切った。課長以外に1人の専従市職員や仲人経験者らが業務をサポートする。
 資格は男女を問わないが、今年3月末現在で満60歳以上の「温厚篤実」な人としている。身分は地方公務員法に基づく非常勤嘱託員で週3日程度の勤務。志望動機や履歴書審査を経て面接試験を行い、決める。採用予定は9月1日。問い合わせは同市企画課(0954・23・9325)へ。

「お結び課長」ってなんだかかわいい響きです。しかし、結婚を成立させるというのはなかなかハードな仕事ですよ。やはり、しきりにお見合いをすすめる親戚のおばちゃん的な方が良いんでしょうか。どんな方が就任するのかも気になりますが、どんな手をつかって「お結び」するのかがもっと気になります。今後の展開に注目です。
募集要項はこちら。
武雄市:お結び課長を公募します – 市役所からのお知らせ
http://www.city.takeo.lg.jp/info/2010/07/post-425.html

asahi.com(朝日新聞社):婚活支援の専門職「お結び課長」大募集 佐賀・武雄市 http://www.asahi.com/politics/update/0630/SEB201006300054.html


第5回 積み散らかしたキャリアと経験が、いつかひとつにつながる プランナー&エディター 高橋 健さん(1) 

(竹内三保子/ニューワークタイムズ編集長・カデナクリエイト代表)

井上さんとの出会いと社内報制作の仕事

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高橋 健(たかはし けん)
1972年埼玉県生まれ。1995年成城学園大学文芸部芸術学科卒業。同年、中堅出版社に入社し、1997年に世界半周旅行に旅立ち約40カ国放浪。 2000年に帰国し、その後、ペット、漫画、ビジネス、医療など様々な専門出版社を経て2008年ナナ・コーポレートコミュニケーションに入社。

人がつなげるシゴト図鑑「ヒラリーに会いたい」。前回登場したグラフィックデザイナー・井上祥邦さんが紹介して下さったのは、株式会社ナナ・コーポレート・コミュニケーション 社内報事業部 プランナー&エディターの高橋 健さんだ。
――井上さんとの繋がりを伺う前に、まず高橋さんのお仕事からお伺いしたいと思います。そもそも社内報の特徴は、どんなところにあるんですか?
高橋:一般誌との一番の違いは、読者は「社員」と限定されていることですね。だからメッセージの目標が非常にはっきりしている。制作について言えば、編集方針を決めるのはクライアント企業の広報や総務の方で、編集の専門家ではないということです。時には媒体の制作にかかわるのは初めてという方もいらっしゃいます。
――そうなると仕事の進め方も一般誌とは違ってくるわけですね。
高橋:そうですね。社内報を制作する場合は、「社内のコミュニケーションを活発化したい」「こんな時期だからトップダウンで社員を引き締めるメッセージを伝えたい」「新しいCIを浸透させたい」といった具体的な目標を伺い、そのためにはどんなテーマで特集を組めばいいのか、どういう記事をつくればいいのか、またカラーページはどう使えば効果的なのかといったことを提案したり、トータルにアドバイスをすることが大きな仕事になるわけです。あわせて、取材に同行したり、記事を作成したり、写真を撮ったりと実際の制作作業も行います。この点は一般紙と同じですね。
――井上さんとのつながりは?
高橋:きっかけは、これまでお願いしていたデザイナーさんが一巡して、デザインの傾向が少しマンネリ化していたことです。ちょっと雰囲気を変えるために新しいデザイナーさんを探していた時に、たまたま私と井上さんの共通の知人が紹介してくれました。
――新しいデザイナーさんに仕事を発注するかどうかのポイントはどんなところにあるんですか?
高橋:まずは作品を見せてもらって、自分が作ろうとしているものと雰囲気があっているかを見ます。あとは本人の柔軟性ですね。先ほど申したように、編集長は企業の広報や総務の方なので、時には、出版業界の「常識」とは違う要望が出てくることもあります。そうした時に、クライアントさんの気持ちや要望をくみ取り、ニーズにあったものをよりよいカタチで出してくれる柔軟性が非常に大切です。アーティスティックに自分のやりたいことを主張するデザイナーさんは難しい。また、クライアントさんは主として大企業なので、それなりのビジネスマナーも必要です。そうした点で、井上さんは、クライアントさんとコミュニケーションをきちんと図り、何がやりたいのか理解しようとしてくれるので、クライアントさんにも、社内でも評判は上々。以来、ずっとお願いしています。

マスコミ業界への第一歩と世界放浪

高橋さんが大学を卒業したのはバブル崩壊後の就職氷河期。激しい競争率をくぐりぬけ中堅出版社に入社したにもかかわらず、2年半で退社。その後27歳までの約3年間、放浪の旅に出て世界約40カ国を回った。
――学生時代から旅行に興味があったんですか?
高橋:大学時代は一ヶ月くらいの旅行に3回行きました。当時はバブル期だから日給1万円は当たり前。2万円くらいもらえることもあったので、旅行代はすぐに稼げました。で、海外旅行をしていると、いろんな人に出会うじゃないですか。世界一周したとかアジアでこんな体験したとか…。そういう話を聞くうちに、メラメラと対抗意識が芽生えた(笑)。「オレにまだ見ぬ世界があるのは許せない」ってね!
――それでは、最初から海外放浪は視野に入れて就職を?
高橋:そうですね。目標は二つありました。ひとつは旅行資金300万円を貯めること。もうひとつは仕事を覚えておくこと。就職経験がないと、さすがに日本に戻ってきた時に再就職は厳しいかなと。
――300万円って、どういう計算なんですか?
高橋:贅沢する時には贅沢する、という余裕の旅行がしたかったからです。もちろん、貧乏旅行にすれば150万円あれば可能ですが、物価が高い先進国に入った時にはあまり楽しくない。単に沢山の国を回るというスタンプコレクターみたいな旅行は、大学時代にさんざんやりましたから、今度は、お金を気にせずその国ならではの魅力はきちんと楽しむ有意義な旅行がしたいと思ってました。
――それで出版社に入ったと?
高橋:そうですね。昔から本を読むのは好きだったし、読書感想文で表彰されるようなタイプでした。学科も文芸学部芸術学科を選んだし、なんとなく文化的なことが好きだったんです。まあ、今、思えば出版社の仕事なんて何も分かっていませんでしたが(笑)。
――実際の仕事はいかがでしたか?
高橋:僕が入社したのはビジネス書から趣味の本まで総合的につくっている出版社でした。学生時代は編集者の仕事とライターの仕事との区別もよくついていませんでしたが、何となくバリバリ企画をたてたり、いろんな人と侃々諤々の議論をしたりするイメージはありました。ところが、実際にはそんな余裕はない。僕は単行本の編集を担当していたのですが、月に一人5冊つくるというノルマが課せられていました。そんなに沢山の本を一人で作れるわけはありませんよね。
――で、どうするんですか?
高橋:世の中には、雑誌や書籍の制作だけを専門に請け負う編集プロダクションが沢山あります。
――うちみたいな会社ですね(笑)。
高橋:そういうところに丸投げするわけです。企画についても新入社員が考える企画なんてほとんど通りませんから、先輩達が考えた企画を編集プロダクションに渡すだけ。僕の役割は、表紙のデザインについてデザイナーさんと打ち合わせることくらいです。ゲラ(校正用に刷った原稿)のチェックも編集プロダクションにお任せなんてこともありました。
――本当に丸投げなんですね!?
高橋:その代わりボーナスは新入社員でも100万円近くもらえましたが、だんだん、ここにいても仕事は覚えられないなと考えるようになってきました。それに2年半働いたら貯金が200万円ちょっと溜まったので、目標額には足りないけど、「行っちゃえ!」と会社を辞めてしまいました。
就職氷河期まっただ中で、高橋さんはキャリアも中途半端なまま会社を辞め、世界放浪へ。そこで何を学び、どうやって再び、編集の道に戻ってきたのだろうか。 (つづく)
株式会社ナナ・コーポレートコミュニケーション
1997年に設立された社内報専門会社のパイオニア的企業。同社が主催してい全国社内誌企画コンペティションへの入賞は、社内報担当者のひとつの目標。創業者は、オピニオン的社内報と高い評価を得ているリクルートの社内報『かもめ』を創刊し、23年間編集長を務めた福西七重氏。現在は、『月刊総務』、書籍の発行も手がけている。

今日のヒラリー
旧ソ連・東欧諸国の旅の途中。本日は、紛争が続いているアゼルバイジャンと隣国のアルメニアを訪れた。そこで、一言。「平和に対する最終的なステップは、しばしば、最も難しい。でも、私たちは平和は可能だと信じてます」…。信じてるっていう言い方が、何だかカッコイイ。

居酒屋スタッフ劇団、ただいま公演中!

音も文字も絵も動画も……。ネットのインフラが整いまくった今や、あらゆるものがネット経由でどこでも瞬時に触れられるようになりました。でもって、相対的に価値があがっているのが、そこでしか味わえない「ライブ」。
CDは売れずともフェスやコンサートは未だ盛況だったり、本が売れない割にセミナーや後援会に人が絶えないのもそれを裏付けます。
そんなライブの魅力を店員自らが提供、注目を集めている居酒屋(!)が、下北沢にありました。以下、『下北沢経済新聞』より。

下北沢南口の居酒屋「下北っこ居酒屋 とりとんくん」(世田谷区北沢2、TEL 03-5430-5156)のスタッフらが6月、「劇団とりとんくん」の旗揚げ公演を行った。
 同劇団は2006年、前店長・山口貴史さんの呼びかけで結成。山口さんは同店退職後、絵画を学ぶためフランスへ渡ったが、滞在中に同劇団の構想を思いつき帰国。もともと同店では役者志望のスタッフが多かったこともあり結成に至った。最初の活動は、同店のオープン1.5周年を記念したイベントで、店内を舞台に見立てて演劇を行ったこと。その後も5回にわたり、店内で「シンデレラ」や「走れメロス」を上演してきた。今年4月に行った公演では4日間で計227人が来場した。
(中略)
練習は公演が行われる約2カ月前から始め、閉店後の店内で行う。久住さんは「閉店の朝5時まで働いた後、6時~7時に集合して12時ごろまで練習する。スタッフによっては14時から仕込みをすることもあるので、ほとんど眠れない日もあった」と話す。小中さんは続けて「それでもとにかく楽しい。好きでやっているせいか苦しさを感じない」と笑顔に。

さっきまで枝豆やハイボールを運んでいた店員さんが女優、男優、演出家になる……。それ自体いかにも楽しげですが、逆に「主演女優が枝豆を運んでくる店」と考えると、居酒屋としての付加価値が高まります。
なんといっても「役者志望の人間が仕方なく居酒屋でバイトしている」のとは、大きく一線を画すポジティブさを感じさせるのがステキです。楽しそうにしてる人がいる場所に、また多くの人が集まるもの。笑顔で働く居酒屋&公演が盛況なのは当然かもしれません。
[下北沢経済新聞]「下北沢の居酒屋スタッフ劇団、立ち上げから4年で旗揚げ公演」
http://shimokita.keizai.biz/headline/953/