居酒屋スタッフ劇団、ただいま公演中!

音も文字も絵も動画も……。ネットのインフラが整いまくった今や、あらゆるものがネット経由でどこでも瞬時に触れられるようになりました。でもって、相対的に価値があがっているのが、そこでしか味わえない「ライブ」。
CDは売れずともフェスやコンサートは未だ盛況だったり、本が売れない割にセミナーや後援会に人が絶えないのもそれを裏付けます。
そんなライブの魅力を店員自らが提供、注目を集めている居酒屋(!)が、下北沢にありました。以下、『下北沢経済新聞』より。

下北沢南口の居酒屋「下北っこ居酒屋 とりとんくん」(世田谷区北沢2、TEL 03-5430-5156)のスタッフらが6月、「劇団とりとんくん」の旗揚げ公演を行った。
 同劇団は2006年、前店長・山口貴史さんの呼びかけで結成。山口さんは同店退職後、絵画を学ぶためフランスへ渡ったが、滞在中に同劇団の構想を思いつき帰国。もともと同店では役者志望のスタッフが多かったこともあり結成に至った。最初の活動は、同店のオープン1.5周年を記念したイベントで、店内を舞台に見立てて演劇を行ったこと。その後も5回にわたり、店内で「シンデレラ」や「走れメロス」を上演してきた。今年4月に行った公演では4日間で計227人が来場した。
(中略)
練習は公演が行われる約2カ月前から始め、閉店後の店内で行う。久住さんは「閉店の朝5時まで働いた後、6時~7時に集合して12時ごろまで練習する。スタッフによっては14時から仕込みをすることもあるので、ほとんど眠れない日もあった」と話す。小中さんは続けて「それでもとにかく楽しい。好きでやっているせいか苦しさを感じない」と笑顔に。

さっきまで枝豆やハイボールを運んでいた店員さんが女優、男優、演出家になる……。それ自体いかにも楽しげですが、逆に「主演女優が枝豆を運んでくる店」と考えると、居酒屋としての付加価値が高まります。
なんといっても「役者志望の人間が仕方なく居酒屋でバイトしている」のとは、大きく一線を画すポジティブさを感じさせるのがステキです。楽しそうにしてる人がいる場所に、また多くの人が集まるもの。笑顔で働く居酒屋&公演が盛況なのは当然かもしれません。
[下北沢経済新聞]「下北沢の居酒屋スタッフ劇団、立ち上げから4年で旗揚げ公演」
http://shimokita.keizai.biz/headline/953/


カテゴリー: ニュース | 投稿日: | 投稿者:
sugiyama

sugiyama について

1975年東京都生まれ。専修大学法学部卒業後入社。現在「月刊BIGtomorrow」「THE21」「週刊東洋経済」に寄稿中。共著に「イノベーションの教科書」「ビジネスモデルの教科書」「クイズ商売脳の鍛え方」、構成に「うまい棒は、なぜうまいのか」等。週末は野球&空手をするが、ビール&肉類大量摂取でプラマイゼロ