まだ、喫煙者だった頃のことです。当時は1日3箱近く吸うヘビースモーカーでした。ヘビースモーカーは、常にタバコのことを考えています。取材が始まる前には、「これから1時間はタバコを吸えないから、今のうちにタバコを吸っておこう」と早めに行って灰皿を探し、取材時間ギリギリまで寸暇を惜しんでタバコを吸い、終わった後は「1時間の禁煙は辛かった」と力一杯タバコを吸うといった具合です。
嫌煙権が強くなるとともに、タバコには思わぬメリットも出てきました。それは、取材相手が喫煙者の場合です。
取材相手:「タバコを吸いながらでも、よろしいでしょうか?」
私:「どうぞどうぞ。実は、私もかなりのヘビースモーカーですので」
取材相手:「なら、一緒にどうぞどうぞ」
私:「そうですか? スミマセン(プカ~)」
取材相手:「最近は、嫌煙権が強くなって大変ですな。(プカ~)」
こんな風にマイノリティ同士の親しみがこみ上げ、いきなりうち解けるわけです。時には、「オフレコで」と、貴重な話を聞かせてくださいます。取材が終わった後に、取材者の方と喫煙所で鉢合わせをして、そこから事業の裏話などを教えて頂けたこともあります。
ところが…。
長年の喫煙がたたり、いつの頃からか、咳がひどくなってきました。ちょっとした風邪でも、恐ろしいほど咳こみむようになったのです。いったん咳が出始めると数十分止まらないということもありました。こんな状態で取材などできるはずはありません。
最初のうちは、取材前に、「即効性がセールスポイント」の顆粒状のクスリを飲んでいましたが、耐性がついたのか、症状がひどくなってきたのか、だんだん効かなくなってきました。やがて液体のせき止めシロップを愛用するようになり、最終的には、シロップを飲んだ上に、なおかつトローチを口の中に隠して、取材時間をしのぐというレベルにまで達しました。
そして、ある時、やってしまいました。
質問している最中に、ゲホゲホッ!
相手が話している最中にゲホゲホッ!
出された熱いお茶を飲めば、体が温まり、ますます咳がひどくなります。
広報の方が、あわてて水を持ってきて下さいました。
冷や汗がどっと出てくるし、頭の中は真っ白です。
取材時間は、どんどん減っていきます。
それでも必要なポイントはなんとか抑えて、逃げるように取材先を後にしました。
「ふぅ~~。焦った」
外に出ると、不思議に咳は収まり、懲りもせずにまた一服。
トラブルの後の一服は、また格別の味わいです。
ところが、原稿を書こうとテープを再生すると…。
「ゲホッゲホッ……」。
録音されているのは、自分の咳の音ばかり。せっかくのお話は、咳の音にかき消されてほとんど聞こえません。補足資料を必死にかき集め、原稿を仕上げるまでに、非常に苦労をしました。
もちろん、今は、タバコとすっぱり縁を切り、咳ともおさらば!
さわやかな取材をしています。
今回の失格言
せき込んで、話せないほど タバコは吸うな!
作成者別アーカイブ: sugai
『頭のいい人のからだの鍛え方』をやってみた。
編集部のメンバーが最近読んだ“シゴトに関する書籍”を自ら実践。その「はたらき心地」をレポートするという、安易なプラグマティズムにもとづいた書評コーナーなのです。
<今回のやってみた本>
『頭のいい人のからだの鍛え方』(中野ジェームズ修一/著 ポプラ社)
<今回のやってみた人>
須貝
答えは「筋トレ」にあり
「悪玉コレステロールが多いですね。通常の1.5倍もある。粗食を心がけてください」
と、一ヶ月ほど前に健康診断で宣告を受けてしまった。確かに最近運動不足や食生活の乱れがたたって太り気味だなと感じてはいたのだが、ここまでヒドいことになっていたとは……。まだ27歳なのに!
そんなわけで、渋々と医師の言葉どおり肉や揚げ物などを控え、カロリーをとりすぎない食生活を始めた。だが、これでいいのか!? 食生活を改めることはもちろん大事だが、これじゃあまりにも”守り”の姿勢じゃないか! まだ20代なのに、あれも食べられないこれも食べられないでは生きる楽しみが減るというもの。もっと積極的に悪玉コレステロールに立ち向かう方法はないものか。
そんなときに某誌の書評の仕事で出会ったのが、『頭のいい人のからだの鍛え方』だ。
著者はクライアントの要望に応じて体をデザインするプロ、パーソナルトレーナーの中野ジェームズ修一氏。彼が理想の体をつくるために必要な「筋トレ」の原則を伝授する内容なのだが、「体のデザイン」以外に筋トレが持つ可能性に私はハッとした。
たとえば……、
太りにくい体になる――基礎代謝量(安静にしていても使われるエネルギーの量)が上がり、体脂肪が落ちやすい体になる。
これだ。食事を制限するのがイヤなら、筋肉をつけて脂肪が燃えやすい体にすれば良い。これこそ求めていた”攻め”の姿勢である。試してみない手はない。
本書の内容は、著者自身も言うように非常にオーソドックスだ。基本となるのは、「目標を決めて、いつ、どんなトレーニングをやるかを設定し、実行する」、それだけだ。加えて、効果を最大限にするためのノウハウや、継続するためのモチベーションの高め方、休養の取り方などを丁寧に解説する。章立てとしては「過負荷の原則」「漸進性の原則」「継続の原則」「個別性の原則」といった、筋トレに必要な8つのメソッド(原則)で構成されている。
そこには「○○だけやれば絶対大丈夫」「2週間で理想の体に」などという甘い言葉は一切ない。しかも効果が出始めるのは、個人差はあるがトレーニングをはじめてから2か月後からだという。だが、その誠実な姿勢がいい。これなら本当に効きそうな気がする。
『頭のいい人のからだの鍛え方』を実践!
まず、「個別性の原則」を参考にして自分にあった目標とトレーニングプログラムを立てるところから始めた。目標は「いつまでに」「何を」「どうしたいか」を明確にすることが肝要だ。「ブルース・リーばりの割れた腹筋を手に入れたい!」、「体脂肪率をカズと同じ7.5%にしたい」……。いろいろと実現したい夢はあるが、今回は真面目に「2か月後に血液検査の結果(特に悪玉コレステロールの値)を基準値内にする」ことを目標にした。
次に考えるのは、目標達成のためにどんなトレーニングをしていくか。バランスよく鍛えるべき、という「全面性の原則」によれば、大きな筋肉が集中している下半身から始めて、上半身、体幹の順番で全身を鍛えるのが良いらしい。そこで、週3回のランニングをこなしつつ、9階のオフィスまでエレベーターを使わずに階段を上ることにした。そして慣れてきたら徐々に上半身、体幹を鍛える筋トレを取り入れていく計画だ。
ただし、ここで忘れてはいけないのが「漸進性の原則」。本書によれば「効率よく筋肉を鍛えるためにも、またケガの防止のためにも、体に与える負荷はいきなりではなく、徐々に大きくしていかなければならない」とある。例えばランニングでは、いきなり走るのはNG。1か月はウォーキングを習慣にするのが良いそうだ。走れないのはやや物足りないものがあるが、ここはプロの言葉に従おう。
で、2週間ほど前から平日の仕事後と休日に30分ほどのウォーキングをスタートしてみた。と同時に、9階の事務所まで階段を使うことも始めた。正直、ウォーキングより階段のほうがしんどいものがある。さらに、いつまでもウォーキングではつまらないので、3日ほど前から大胸筋を鍛えるための腕立て伏せをトレーニングに取り入れ始めた。ここでも「漸進性の原則」にならって、最初は負荷の軽い膝をついての腕立て伏せからスタート。だが、これが予想以上にキツい! 10回×3セットをやっただけなのに、3日経ったいまでも筋肉痛が治らない。……って、ちょっと焦りすぎて「漸進性の原則」から外れてたかも。
はじめて間もないので当然だが、激しい筋肉痛以外は、何かが変わった実感はない。60日ほど経過しないと効果は現れてこないのだ。だが、早くその効果を実感してみたい! と心待ちにしている自分がいることにふと気がついた。この時点で成功するんじゃないかと思っているのだが、あまりにも気が早すぎるだろうか?
というわけで今回は「この本、やってみました」じゃなくて、まだ「この本、やっています」な状況だ。結果は2か月後に発表しようと思う。上手く効果が出たら、だが。
ついに出ました、結果編。
頭のいい人のからだの鍛え方 筋肉で痩せる・体質改善する8メソッド
- 作者: 中野ジェームズ修一
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2010/03/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
「本当に幸せな働き方」を調査
「本当に幸せな働き方とは何か」――。
日本財団が、今年1月、「本当に幸せな働き方」についての関するアンケート調査(1000人)を行い、先日、調査結果が発表されました。
アンケートの結果、「お金以外の報酬で大事なもの」で最も多かった回答は「仕事自体の面白さや刺激」(54.0%)。
興味深いのは、「あなたが幸福に働くために、今の会社にどうあって欲しいと思いますか」という質問。「社員の仕事とプライベートのバランスについて考える会社」「社員の職場環境に気を配れる会社」がトップかと思われましたが、それぞれ15.3%と15.0%。実際には「仕事をすればするだけ報酬をくれる会社」という回答が37.5%とダントツ1位でした。良い職場環境よりも仕事に見合った報酬が欲しい、という要望が強いようです。
また、「お金以外の報酬で大事なもの」という設問では、「仕事自体の面白さや刺激」(54.0%)が最も多い回答でした。
幸せになれる働き方、あなたの考えはいかがですか?
[日本総研]「本当に幸せな働き方」アンケート結果発表
http://www.nippon-foundation.or.jp/org/press/10022401.html
会社員を応援するチアガール
昨年8月から、通勤時間の新宿駅西口に、サラリーマンを応戦する真っ赤なチアリーダーの衣装に身を固めた女性が登場したそうです。以下産経ニュースから引用。
さらに彼女は続ける。
「だから私は、自分らしい方法で誰かをハッピーにするために、ばかばかしいとは思いながら、毎朝ここで日本のビジネスマンを応援することに決めました。今日ここで私を見かけたみなさんが、ちょっとだけ勇気を出して上司に何か言ってやろうとか、大事な人に言えなかった言葉をもう一度伝えようとか、そんなエネルギーになりたいと思っています!」
彼女の名は斉藤彩さん。テレビの番組制作会社、広告代理店を経て、現在はフリーランスで企画や講師などを引き受けています。広告代理店時代、思ったことを口に出せず、力いっぱいがんばれなかったことが強い後悔となったそうです。
思ったことを言わないのは、サラリーマンの処世術。だからストレスが溜まるし、新しいアイデアも生まれません。そんな思いを伝えたくて、毎日街に出るそうです。
斉藤さんに限らず、誰しも、過去をふりむけば後悔の山。そこにけじめをつける方法を発見した時に、一歩新しい世界に踏み出せるのかもしれませんね。
[産経ニュース]直撃!新宿で踊る「謎のチアガール」 冷え込みの朝、なぜ彼女は会社員を応援するのか
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100227/trd1002271203004-n1.htm
ARで仕事が劇的に変わる?
iPhoneアプリの『セカイカメラ』などで注目を集めている「AR」。ARとはAugmented Realityの略で、「拡張現実」のこと。デジタル技術を使って現実環境に視覚や聴覚の情報を付加する技術のことです。が、知らない方はこれだけの説明では何が何やらよくわからないはず。というわけで、百聞は一見にしかず。このARを仕事の現場に応用するとどんなことができるようになるのかがよくわかる動画が「IDEA*IDEA」で紹介されていましたのでご紹介します。
Future Mechanic
自動車のメカニックに限らず、ARの技術はさまざまな仕事にも応用できそうです。間違いなく便利なのですが、この技術の普及によって誰にでもできる仕事が増えるのも確か。新しい技術がどのような影響を仕事におよぼすかにも注目していきたいところです。
[IDEA*IDEA]ARを駆使して楽々と車の修理をこなす未来のメカニック
http://www.ideaxidea.com/archives/2010/02/future_mechanic.html