もっと広がってほしい『花粉症通院休暇』制度

いよいよ花粉症の時期到来です。花粉症の人にとっては、症状がつらいだけではなく、仕事の効率が低下することも大きな悩みです。車を運転する人にとっては事故にもつながりかねません。ということで、次のような取り組みをするタクシー・ハイヤー会社も現れました。以下JCASTニュースより引用。

東京都内を中心にタクシー・ハイヤー事業を展開するハロー・トーキョーは、自社ドライバーを対象とした「花粉症通院休暇」を導入している。
(中略)
そこで同社では、花粉症治療で通院するドライバーに対し、初回通院分の5時間を「花粉症通院休暇」として有給休暇を認めることとした。ハロー・トーキョーのドライバーには、月11回、1回あたり20時間の乗務が定められているので、今回の有給休暇は0.25回分の乗務に当たる

一方、花粉症対策で使われるクスリの多くは、集中力や判断力、作業能率が低下するといった副作用があります。そうした影響への理解を広めていき、また影響を最低限にとどめる運動、『インペアード・パフォーマンス ゼロプロジェ
クト』にも同社は加入しています。車内には、ウィルスをカットできるレベルの強力な空気清浄機を備えているそうです。
企業の経常利益は2年半ぶりに増加に転じました。もし、花粉症対策がもっと広がれば、生産効率がアップして、日本経済の回復も加速度がつくかもしれませんね。
[J-castニュース]花粉症のタクシードライバーに「通院有給休暇」
http://www.j-cast.com/kaisha/2010/03/03061513.html
インペアード・パフォーマンス ゼロプロジェクト
http://www.allergy-i.jp/ipzero/index.html


お客がバイヤーになれるネットショップ

「お客がバイヤーになれる」というなんとも楽しそうなネットショップが「JBpress」で紹介されていました。「ModCloth(モッドクロス)」は若い女性向けの衣服や靴、アクセサリーなどを販売するオンラインショップ。
もともとはオーナーのスーザンさんの古着コレクションを販売するためのウェブサイト。ですが、その後本格的なビジネスを展開するオンラインショップになります。その後、SNSを活用したマーケティング活動でユーザーも順調に増加。そして、モッドクロスをさらに有名にしたのが、顧客を巻き込んだマーケティング活動「Be the Buyer(バイヤーになろう)」です。
同サイトで発売前の商品サンプルの写真を掲載。サイトに訪れた人にモッドクロスがその商品を買うべきかどうかを投票してもらいます。買うべきか買わないべきかの投票だけでなく、自分の意見をコメントできるのもユニーク。
利用者のダイレクトな意見を反映出来るので、モッドクロス側は売れる堅実な商品を買い付けられる一方、顧客はシーズン前の商品に触れバイヤー気分を味わえるというお互いにメリットのあるシステムなのです。アパレルに限らず、他分野の小売でも参考できそうなビジネスモデルと言えそうです。詳細は以下の記事よりどうぞ。
[JBpress]お客さまがバイヤーです!?顧客投票で仕入れ、急成長のオンラインブティック
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2885


海賊船風オフィス、出航!

男が憧れる職業のNO1といえば、古来から「海賊」(または宇宙海賊)ですが、法律やモラルや周囲のオトナの目がそれを許さないのは、ご存じの通り。
「ならば、せめて職場だけでも…」というわけではないようですが、夢のようなオフィスが誕生しました。
それが、渋谷に本社を構えるIT企業ECナビのニューオフィス「NAVI-SHIP」。そもそも同社では、オフィスを海賊船と考え、スタッフを乗組員と考えてきたそうですが、オフィスのリニューアルを機に、このコンセプトを内装デザインに大々的に採用したもようです。
まずはリンクをご覧あれ。
http://ecnavi.co.jp/news/press/details/238
おおっ。しゃれた会議室は「アトランティス」、廊下は「航路」、オープンな休憩スペースは「デッキ」ときました。
経営理念とデザイン性と使い勝手が融合、そして何より「楽しそう」なオフィスであるのがすばらしい。
次あたりは、制服に「麦わら帽子」を採用していただきたいところです。


第3回「なぞり千本!?」グラフィックデザイナー・井上祥邦さん(2)

(竹内三保子/ニューワークタイムズ編集長・カデナクリエイト代表)
「なぞり千本!?」グラフィックデザイナー・井上祥邦さん(1)
「なぞり千本!?」グラフィックデザイナー・井上祥邦さん(2)
「なぞり千本!?」グラフィックデザイナー・井上祥邦さん(3)

出来のヒドさに編集者が泣いた!?

井上さんはDTPオペレーターの技術を身につけたので、次の会社はすぐにみつかった。デザインとDTPを手がける制作会社だ。
井上:最初は手書きのデザインをデータに起こしたり、すでにデザイナーがつくったデザイン・データに文字を流し込んだり、修正したりする作業をしてました。膨大なデザインを見ているうちに、自我に目覚めてしまったんですね。『自分もデザインがやりたい!』って。
――そうはいっても、DTPオペレーターからデザイナーに転向できた方って、実際には少ないですよね。学校に行かれたのですか?
井上:行きたかったんですけど、とにかくお金がなかった(笑)。デザインの本などを買って自分で勉強しました。本を見て、ひたすら真似をして同じデザインをつくってみる。その繰り返しでしたね。
――その会社で、デザインはさせてもらえたのですか?
井上:はい。そこの会社は初歩的なデザインの仕事は沢山あったので、そうした仕事をちょこちょこさせて頂くようになり、少しずつデザインの仕事を覚えていきました。思い出深いのは、某出版社のタレント本を担当したときのことです。出来があまりに悪くて、作品を見た編集担当者の方を泣かせてしまいました。
――え~!? それでどうされたんですか?
井上:制作会社ごと変えたいと言われましたが、『そこを何とか! 最後までやらしてください!』と。もう必死にお願いしました。そうしたら、『もう一度だけなら』と最後はチャンスをいただけました。
――ダメなデザイン、いいデザインって、どこが違うんですか?
井上:基本的にグラフィック・デザインって、コミュニケーションの手段なんですよ。たとえば文字は縦組と横組があって、縦組なら基本的には読みやすいように右上から左下に流れるようにデザインする。つまり本来は、導線や要素のバランスなど考えた上での設計が必要です。ところが、当時の自分は「伝える」という意識が低く、感覚的にデザインしていた。そこを指摘されたわけです。
――修正後の作品はどうでした?
井上:なんとか合格点。打ち上げにも呼んでいただき、いろいろ話もしました。その時、『デザイナーなら、独立することも考えてもっとがんばれ』と言われました。デザイナー扱いされたのは、すごくうれしかったですね。また、この日を境に『独立』を視野に仕事をするようになりました。ですからこの仕事は、いろいろな意味で自分にとっての大きなターニングポイントになったわけです。

なぞり千本! ビシビシしごく鬼社長

その後、井上さんは企画力で有名な編集プロダクションに転職する。本格的にデザインの腕を磨くためだ。
井上:実は、面接の時に一悶着あった。というのは、履歴書を見ながら、社長が自分の大学をバカにしたんですよ。それで、『自分のことをバカにするのはいいけど、大学のことはバカにするな!』って言い返した。それが逆に評価されて採用されました。そういう熱い社長なんですが、仕事はものすごいスパルタだった。
――たとえば?
井上:入社したら、いきなりいろんなデザインのトレースを片っ端からさせるんですよ。なぜ、ここに罫線があるのか、なぜ、文字はこの大きさなのか…。『トレースしながらバランス感覚を体にたたきこめ! とにかく手を動かして覚えろ!』って。3ヶ月くらいは、本来の仕事が終わってから数時間トレースをしてました。毎日トレースをやらされました。今になると、すごく役だったことが分かりますが、その時は『パソコンでデザインする時代に、なんて前近代的なんだ』と思っていました。
――本格的に仕事を任されるようになったのは?
井上:入社して半年過ぎた頃からですね。ところが、いくらデザインしても『ダメ!』『全然駄目!』『何やってんだ!』と怒鳴られる。20代後半で他人に怒鳴られることってないじゃないですか。精神的にもキツかったし、仕事の量的にもキツかった。
――どのくらいの量をこなしていたんですか?
井上:平均1ヶ月に3冊ペース。デザインをしながらDTPオペレーションもこなしていました。最終的には、数字も意識するようになった。利益率が見えるから目標達成するためには数をこなさないといけない。完全に自分のキャパを越えてました。
――それで、どうなったんですか?
井上:体を壊して、会社を辞めざるをえなくなりました。その時は、本当に『オレはだめなんだ』と思いましたよ。28歳か29歳の時かな? もうすべてを諦め、実家に戻ろうと思ったのですが…。父上に電話をすると『もどってくんな!』と怒られた。
仕事も失い、健康も失い、実家にも戻れなくなった。せっかくデザイナーへの道を歩みだしたのに、再び、井上さんはどん底に落ち込んでしまった。(つづく)
「なぞり千本!?」グラフィックデザイナー・井上祥邦さん(3)

今日のヒラリー
5日間で5カ国を回る大忙しの中南米訪問の旅の真っ最中だ。昨日は、震災のチリを訪問して救援を確約してきた。そして、今日は、ブラジルで、イランの核開発問題などを話し合うそうだ。帰国予定は3月5日。

スパイダーマンも失業!?

先月の発表では4ヶ月ぶりに10%を下回り、やや回復の兆しを見せたアメリカの失業率。それでも9.7%というのは、未だ深刻な数字です。だからして、こんな人にまで影響し始めたもよう。以下、CNNのサイトより。

映画化もされている米マーベル・コミック刊行の人気コミック「スパイダーマン」で、スパイダーマンの正体である主人公ピーター・パーカーが、今週発売される最新刊で失業者になることが1日分かった。
パーカーは物語の中で解雇され、市長の専属カメラマンの仕事を失う。パーカーは現実社会の悩みを抱えた等身大の人物設定で知られ、物語にも度々世相が反映されている。
マーベル社によると、パーカーにはカメラマンのほか、理科の教員や科学研究者などの職歴がある。今後は金をやりくりしながら、スパイダーマンのコスチューム修復用の特殊な物質を購入する。2つの顔を持つことは依然秘密にするという。

「金をやりくりしながら…」って、どうするんでしょうか? 『e-Bay』でスパイダーウェブを売ったり? 何にしても「世相が反映されている」作品なので、パーカーが復職した時こそが「アメリカの雇用が復活した時」といえそうです。
[CNN.co.jp]「スパイダーマン」の主人公パーカー、最新刊で失業者に
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN201003020010.html