新潟生まれ、パワーポップ育ちの箱田です。
日本で最もわかりやすいイノベーションの本を、と弊社のメンバー3人で執筆させていただいた『図解&事例で学ぶ イノベーションの教科書』。
現在、絶賛発売中なわけですが、前著(『図解&事例で学ぶビジネスモデルの教科書』)同様に、「おおづかみできたけど、もっと深くイノベーションについて学びたい!」という声もあったりするようです。
そこで今回も、我々が執筆のための参考文献にした書籍を紹介。さらにくわしくなるための「イノベーションの参考書」を1冊ずつご紹介していきたいと思います。
まず一冊目は、超名著である『イノベーションのジレンマ』です。
いうまでもなく、ハーバードの経営大学院教授、クレイトン・クリステンセン氏が1997年に発表した論文を一冊にまとめた名著。
「なぜ優れた技術と人材を誇るリーダー的存在の優良企業も、いつしかおとずれる“衰退“を避けられないのか?――」。
そんな経営における長年の疑問への解を、わかりやすく解明した大ベストセラーですよ。
ざっくりと、その解を紹介しますと、下記のような感じでしょうか。
1.「優良企業は顧客の声を聞き、着実に製品やサービスの性能を向上させていく」
2.「ところがあるとき新参の企業が、新しさはあれど低性能・低品質の製品やサービスを投入。低性能・低品質であるがため、当初は主流市場には無視されるが…」
3.「いつしか新参企業の製品やサービスも高性能・高品質化して、既存の優良企業がとっていた主流市場でも支持されはじめる」
4.「一方、これまでどおりに性能や質を向上させてきた優良企業の製品やサービスは『そこまでの高品質なものはいらない!』と顧客からそっぽをむかれはじめて…」
5.「てな結果、優良企業は『お客さんの求めるとおりがんばったのに…ぐぬぬ』というジレンマを抱えて衰退に向かう…」
こうした「破壊的イノベーション」によって、これまでの優良企業がやられる様を、
ハードディスク業界における栄枯盛衰。
掘削機業界における蒸気式から油圧式への変革・
北米バイク市場で、ホンダに侵食されていったハーレー・ダビッドソン。
などを例に上げて、クリステンセン先生は丁寧にひもといてくれているわけです。
そのうち「ああ、これってうちの業界にもおこりうるなあ」「あの製品ってまさにそれだよなあ」と自分に引き寄せながら読める。
実にすばらしい参考書であります。
で、あるのですが、
事例がちょっと古かったり、業界が違うと、馴染みにくかったりもしたり。
その結果、「実のところクリステンセンの本を持っているが、96ページで読むのをやめたままだ…」などという方も少なくないと思いますので、クリステンセンの破壊的イノベーションとイノベーションのジレンマについてもわかりやすく解説した、『図解&事例で学ぶイノベーションの教科書』は、かさねてオススメする所存であります。
あるいは、私と同郷のこの方のこちらの「煽りパワポ」によるプレゼンテーションも、より深く破壊的イノベーションを理解するうえで極めて参考になるかもしれません。ならないかもしれません。
何卒よろしくお願い申し上げます。