面白法人カヤックの仙台支社開設にみる支援のカタチ

まずは東日本大震災で被災された方々、心からお見舞い申し上げます。

さてこの震災に端を発する福島原子力発電所の事故、その影響で今夏見込まれる電力不足も視野に「オフィス移転」をすすめる企業が少なくありません。福島、宮城などの企業はもちろんのこと、首都圏でも疎開と称して他地域へ移転、または一部機能を移管する企業がいくつかあるようです。

すばらしい判断だと思います。

考えうるリスクをヘッジするのは、企業にとって当然の行動。むしろ「顧客が…」「取引先が…」とバリューネットワーク(または言い訳)にしばられた結果、万が一のときに身動きもとれないほうが、むしろダメな会社といえるでしょう。

そもそもITやクラウドサービスの浸透で「いつでもどこでも働ける」ことがじんわりと社会のコンセンサスになりつつあります。直接施す必要があるサービス業などは別として、機動的に職場を動かすことには、かつてほどリスクがないわけです。

それにしても、移転先、疎開先として選ばれているのは被災地からなるべく離れた場所、関西や北海道になっているようです。

なるほど。原発や余震の影響を避けるのが目的ですから、当然です。

ただ、このオフィス移転にもっと別の「価値」をつけられるのでは?

そんな想いを込めて、ウェブサイトやウェブサービスを手がける面白法人カヤック(鎌倉)が実践した移転措置が、実に素敵です。

カヤックが被災地のWebクリエイターに向けて仙台に旅する支社開設を決定

仙台というまさに被災地にあえて支社を出す判断。現地のクリエイターを受け入れると共に、積極的に現地企業に受託開発を依頼する、という思惑だそうです。ようするに、仕事を、雇用を、支社の開設によって果たそうという狙い。カヤックが持つリソースを十二分に発揮した支援策といえるでしょう。面白い。

同社が掲げる“面白”法人という言葉は、「ファニー」じゃなくて、「インタレスティング」なんだなと、改めて実感できたニュースでした。


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hakoda

hakoda について

1972年新潟県生まれ。『月刊BIG tomorrow』『Discover Japan』『週刊東洋経済』等で、働き方、経営、ライフスタイル等に関する記事を寄稿。著書に『図解&事例で学ぶイノベーションの教科書』『クイズ商売脳の鍛え方』(共著)、『カジュアル起業』(単著)などがある。好物は柿ピー。『New Work Times』編集長心得。