第7回 仕事を劇的に“見える化”する!?『バブルマップ』手帳術

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「いま、手帳特集記事の取材に応じてくれる人を探しているんですよ。そういえば、杉山さん、何か面白いことやってませんか?」
先日、ある出版社の編集者からそんな話をいただきました。
早くも、杉山システム、雑誌デビューのチャンスか?
と一瞬舞い上がりましたが、僕、手帳の使い方はけっこう普通なんです……。
ド定番の能率手帳に、スケジュールと仕事リストを書いているだけ。
「僕には荷が重いです」と断ってしまいました。
うーん、しかし、この対応って杉山システム提唱者としてどうなんでしょうか?
ココで偉そうに自分の名を冠した仕事術を語っているのに、仕事ツールの王道といえる手帳の話ができないとは。なんかちょっと敗北感があります。
コレをモチベーションに、手帳の使い方を工夫してみることにしました。
そして実践したのが、「バブルマップ」
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一言で言えば、やるべき仕事リストを、手書きの円(=バブル)で表現する方法です。
バブルの大きさは、仕事量の大きさに比例しています。
優先順位が高い仕事ほど、上の位置にバブルを書きます。
コレの長所は、仕事を羅列したリストよりも、「見える化」できることです。
それぞれの仕事の量が表現できるので、どのぐらい仕事を抱えているか、一目で分かります。
また、途中経過も表現できる(例:半分終わったら、バブルの半分だけ赤ペンで塗る)ので、進捗具合も分かります。
さらに、大きな仕事を終わらせた時に、赤ペンで塗りつぶす時の満足感が大きい。
ま、自分で開発したみたいに言っていますが、実際は、以前、人気サイト「百式」の田口元さんに取材でお会いした時に習った方法です。早い話、パクリですね。
てなわけで、月曜日から実験スタート(※上の画像参照)。
上のバブルは、単行本の原稿書きの仕事。1週間で3章分、書き上げなきゃいけないんス。つれえ~。
さらに、下のバブル。PR誌の原稿書きの仕事もあります。
さて月曜日の夜。
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火曜の夜。
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水曜夜。
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大きなバブルが消えません!
急遽、PR誌の原稿の優先順位が上がったので、月火は単行本に手をつけられず。
ある意味、仕方ないのですが…。
重くのしかかる、3つのバブル。
これらが醸し出すプレッシャーたるや、リスト時代とは比べものになりません。
イライライライラ。
さらに、水曜日に、PR誌原稿の一部書き直し、別のPR誌の急ぎの見積もり依頼、雑誌の取材先探しなどが入ってきて、新たなバブルを記入しました。
が、書き込む字の量の関係上、不当にバブルがでかくなってます。
うう、より一層、圧迫感が出てきたぞ…。
こうして3週間にわたってノウハウを蓄積した結果、次のようになりました。
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元に戻しました。
だって、あまりにプレッシャーがかかり過ぎるんですもの。
田口さんの当時の記事やブログを読み返してみると、バブルマップの使い方が以下のように書かれていました。
「あくまで1日単位の仕事を把握する時に使う」
「それ以上の期間の仕事は、基本的には項目リストで保管」
「たまに気分転換で使うのみ。いつも使うわけじゃない」

つまり、長期の予定管理には向かないというわけです。
まったく、その通り。早く読んでおけば良かった…。
というわけで、今回のチャレンジはほぼ失敗でしたが、一つ気づきました。
「何でも『見える化』すればいいってもんじゃない」。
バブルマップを使っている最中は、プレッシャーを強く感じすぎて、いつもより仕事が進まなかった気がします。
あまりに見え過ぎると、精神衛生上、良くないこともあるな、と。
いずれにせよ、当分、手帳については語れなそうです…。


カテゴリー: 杉山システム | 投稿日: | 投稿者:
sugiyama

sugiyama について

1975年東京都生まれ。専修大学法学部卒業後入社。現在「月刊BIGtomorrow」「THE21」「週刊東洋経済」に寄稿中。共著に「イノベーションの教科書」「ビジネスモデルの教科書」「クイズ商売脳の鍛え方」、構成に「うまい棒は、なぜうまいのか」等。週末は野球&空手をするが、ビール&肉類大量摂取でプラマイゼロ