カテゴリー別アーカイブ: 杉山システム

第4回 全体像が掴める『マインドマップ風メモ術』 前編

先週、先々週と、取材ウィークで、各地をウロウロしていた杉山です。
いくつかの媒体の仕事が同時に進んでいたので、
異なる記事の取材がゴッチャゴチャに入っていました。
リサイクルショップを取材した後、投資術の話を聞き、翌日は家電量販店2件、という具合。メモの仕方を工夫しないと、もう訳が分からなくなります。
というわけで、今回の杉山システムは、「メモの仕方」を取り上げます。
会議で、商談で、電話をとりながら。メモを取ったはいいけれど、
「うまくまとまっていなくて、後で見返した時に、何がなんだか分からない」
そんなことって、ありませんか?
恥ずかしながら、僕はよくありました。
取材の時、僕は必ずICレコーダー(数年前まではテープレコーダーでした)を回すのですが、
「録音失敗した時のことを考えておけ!」という社長の教えから、
取材相手の言葉を一字一句書き留める勢いで、
A4ノートにビッシリ箇条書きにしていました。こんな感じです。
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少なくて10ページ、取材時間が長いと20~30ページに及びました。
ところが、この方法には弱点がありました。
「後から見たときに、全体像が把握しにくい」のです。
「すでに他の原稿を抱えている」「レイアウトデザインの文字数に合わせて、原稿を書かなければいけない」といった事情があり、
多くの場合、原稿を書くのは、取材日から2~7日経った後。
忘れっぽい僕は、それだけ経つと取材内容をすっかり忘れています。
そこで、ノートを見返すわけですが、
20~30ページに及ぶ箇条書きですから、とても取材内容を俯瞰できません。
結局、全部読み返し、思い出す作業が必要になります。これが意外と時間がかかる。
「重要なポイントと思われるものに、◎をつける」「矢印で、関連性を書く」
などはしていましたが、全部読み返す必要があるのは変わりありませんでした。
さらには、腱しょう炎にもなりました…。
1日3件取材などをすれば3~4時間書きっぱなしですから、なって当然ですね。
「じゃ、そんなに書かなきゃいいじゃん」といわれそうですが、
録音に失敗しないという保証はありません。
必ず、ICレコーダーの動作確認を2回はするようにしているのですが、
実際、100回に1回程度、作動していないことが。
気づいた時に吹き出る冷や汗といったら…。思い出したくありません。
また、取材中、話をうまく盛り上げながら、大事なキーワードだけを取捨選択して書くのは、難易度が高いと思うのです。
実は大事なキーワードを間違って捨ててしまいそう。
少なくても、僕には上手く取捨選択する自信がありません。
そう考えると、次の条件を満たす方式がベスト。
●取材中
・取材内容のほとんどを書き残す方式
・が、つかれにくい
●取材後
・コンパクトにまとまっていて、全体像を把握しやすい。
・大事なポイントも一目で分かる
これらの条件を満たしていたのが、「『マインドマップ風メモ術』」でした。


第3回 大ざっぱ『A4タテワイド』整理術 後編

杉山です。いやあ、1カ月半ぶりの更新です。
言い訳ですが、単行本の制作などに追われていまして…。

が、そんななか、前回ちょっとご紹介した「“大ざっぱ”A4タテワイド整理術」が役立ちました! 今回は、その方法をお伝えします。

「“大ざっぱ”A4タテワイド整理術」、仕組みは極めて単純です。
A4版の透明クリアホルダーに資料を入れて整理している人は多いと思いますが、僕は、「そのクリアホルダーにパンチ穴を開け、リングファイルで綴じている」のです。

そう、こんな感じ。
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ちなみに、先日まで悪戦苦闘していた単行本のファイルは、こんな感じでした。
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資料がいろいろある上に、実質2週間で1冊書くスケジュールで、半ベソをかいていましたが、資料で混乱することは1回もありませんでした。

なぜ、この方法が良いのか? 
それは、「大ざっぱで、手間が少ない」のに、整理に必要な条件をクリアしているからです。

「“大ざっぱ”A4タテワイド整理術」で用意するツールは、以下3つ。
●「A4タテワイドサイズ」のリングファイル(A4より少し大きめ。例:PLUS「FC-101R」)。
●A4版の透明クリアホルダー(あらかじめ穴を開けておくと良い)
●パンチャー

A4タテワイドを使うのは、A4サイズのファイルで綴じると、クリアホルダーがはみ出るからです。
クリアホルダーは、既にパンチ穴の開いた透明リフィルを併用しても構いません。

面倒なルールもなく、守るべきなのは、
◎資料が発生したら、とりあえずクリアホルダーに突っ込む(資料の名称をホルダーに書いても良いし、書かなくても良い)
◎1つの案件ごとにリングファイルを用意。そこにクリアホルダーを綴じる
◎クリアホルダーが満杯になったら、2~3つのホルダーに仕分けする(気が向いたら)
この3つだけ。

その3つのルールを守れば、前回挙げた6つの条件をクリアできます。

【条件1】資料の出し入れがカンタン
元がクリアホルダーですから、収納時はバサッと突っ込んで、綴じるだけ。
取り出したい時は、ホルダーをファイルから外さなくても資料を引き出せます。

【条件2】書類を探しやすい
書類は必ずどこかのホルダーに入っているので、そこだけ探せばOK。本のように閲覧できるので、楽に探せます。
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【条件3】ある程度の量の書類を保管できる
1ホルダーにA4用紙50枚は収納可能。リングファイルは幅35mmの細めのものでも、10ホルダー以上は保存できます。

【条件4】場所を取らない
僕の机はそれほど広くないですが、写真のように8冊は並べられます(幅35mmのリングファイルの場合)
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【条件5】資料を持ち運びやすい
ファイルごと、また必要なホルダーだけ外して持ち歩くことも可能です。

【条件6】資料がたまりにくい
リングファイルが満杯になった時は、捨てる良い機会に。ホルダーをパラパラめくり、長期保存が必要なものだけ、別の保存用ファイルに綴じ替えています。

「資料整理は、細かく整然としなくてはいけない」
こういう先入観を持っている人は、けっこう多いような気がします。
だから、整理しようと考えた時、整理ルールを細かく決めすぎる。
結果、ルールを守るのがメンドくさくなって放り出してしまう。
こんなパターンが多いのではないでしょうか。

しかし、「“大ざっぱ”A4タテワイド整理術」は、面倒なルールがありません。だから、続くというわけです。

ちなみに、この方法を実践すると、数カ月に1回、資料を捨てることになるので、頻繁に、仕事を振り返ることにもつながります。


第2回 『A4タテワイド』整理術 前編

最近、アルバムを整理していたら、12年前に仕事場で撮った写真が出てきました。
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この頃は徹夜の連続だったなぁ…。机に伏して、仮眠することも少なくありませんでした。

もっとも、仮眠のつもりが、気づいたら5時間経過、なんてこともよくありましたが。
「とほほ、帰れば良かった…」と何度後悔したことか。

それはさておき、この写真を見ていたら、あることに気づきました。
「書類整理の仕方が、今とまったく違うな」

というわけで、今回の杉山システムは「資料の整理法」です。

少し前は「IT化でペーパレス」なんて言われていましたが、
実際は「紙の資料が余計に増えた」という声もよく聞かれます。
僕のようなライター業も、相変わらず紙の資料だらけです。
違う雑誌の記事を7~8件、同時進行する時などは、
資料をしっかり整理しないと、資料探しで時間を大幅にロスすることに!
その時間がバカにならない、と思い始めたのが、まさに上の写真の頃でした。

当時の僕は原稿を書くのが非常に遅く(今も大して速くないのですが…)、
〆切に遅れまくっていました。
かといって、執筆スピードはそう簡単に速くなりません。
「このままじゃ仕事切られるかも。ヤバイな…」。

悩んだあげく、出た結論が
「資料探しの時間を最小限に減らすことで、少しでも原稿書きの時間を捻出すること」。
そして、資料整理の方法について、試行錯誤し始めたわけです。

とはいえ、なかなか良いやり方にたどりつくことができませんでした。たとえば…

[試した方法・その1]封筒&ボックスファイル
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一つの記事につき、一つの封筒をつくって、資料を入れます。
それらの封筒は、雑誌別に用意したボックスファイル(書類整理箱)で保管していました。
野口悠紀雄氏の「超整理法」にちょっとだけ似ています。おそらく影響を受けたのでしょう。

が、ちょっと難点が。
まずは、封筒の中に何が入っているか、すぐ分からないので、あとから資料が探しにくい。
封筒をクリアホルダーに変えても、あまり改善されませんでした。
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見やすい位置にインデックスをつけるべきなのでしょうが、正直メンドくさいんですよね。
さらに、関わる雑誌の数が増えるにつれ、ボックスが増えてきました。
仕事場が狭かったので、自分の机の上以外に置き場がなく…。困ってしまいました。

[試した方法・その2]クリアファイルに保管する
そこで今度は、雑誌ごとにクリアファイルを1冊ずつ用意しました。
これならコンパクトにまとめられるのでは? ところが、これも企画倒れ。

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リフィルから資料を出し入れするのに手間取るんです。
また、大量の資料を1ページに入れにくいですし(50枚でキツい)、
1つの記事の書類だけを持ち運ぶのにも不向き。
取材に行く時は、いちいち出して、クリアホルダーに入れ替えていました。

てな感じで、なかなか「これだ!」というものに辿り着きません。

ひとまず、必要な条件をまとめてみました。
【条件1】書類を探しやすい
【条件2】資料の出し入れがカンタン
【条件3】ある程度たくさんの書類を保管できる
【条件4】場所を取らない
【条件5】資料を持ち運びやすい(雑誌ごとでも、記事ごとでも)
【条件6】長期間保存も可能
これらの条件を満たす方法とは? 

そこで行き着いたのが、「『A4タテワイド』整理法」でした。
具体的には……次回に続きます!


第1回 左マウス

先日、後輩の須貝に言われて、ちょっと驚きました。
「杉山さん、左手でマウス使ってる人を、初めて見ましたよ」

僕は、右利きですが、左手でマウスを使っています。
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始めたのは4~5年前。
取材でメモをとり過ぎて、腱鞘炎になってしまったことから、
右手の負担を減らそう、と左で使い始めたんです。
しかし、コレ、実践している人が少なからずいると思い込んでいたのですが、
周囲の人に聞いてみると、一人もいませんでした。意外と珍しいんですね。

でも、マウスは左で使える方が断然トク! と僕は思います。
そこで、左マウスの良さについて、ちょっと熱弁をふるわせていただきます。

さて、第一のメリットは、パソコン作業の疲労度がまったく違うことです。
左が使えれば、左右交互に使うこともできますから、
マウスを使う労力が1/2ずつに分散できる。
そのおかげか、以前は鍼灸マッサージ院にしょっちゅう通っていたのですが、
今は月0~1回程度で済むようになってきました。

左マウスの長所は、それだけじゃありません。たとえば…。
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ネットを見ながらメモがとれる。これはホントに便利。
それを実感してから、ますます左マウス信奉者になりました。また…
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そばだって食べられます。
食事しながら、資料をプリントアウトするなんてことをよくやっています(行儀の面ではちょっと問題アリですが)。
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もちろん、うどんだって食べられます。
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パスタもなかなかいけます。
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デザートのナタデココゼリー。ゼロカロリーですが、食べ応えがあります。

さらに、ネットで調べたら「右脳が鍛えられる」なんてことも書いていました。
ん…、それは正直実感ないなぁ。でも、そんなこともあるようです。

「左で使うのって難しいんじゃないの? ハードル高えよ」
と先輩の箱田に言われましたが、僕の体験から言えば、そうでもありませんでした。
やり方は、単にマウスを右から左に移動するだけ。
ボタンの左右の設定は、変えることが可能ですが、
左右で交替する時に面倒なので、僕は変えていません。
慣れるのも割と早く、
僕は、1週間もかからずに、それほど支障無く使えるようになりました。
1カ月も経てば、右手と遜色ない感じで使えていました。
ちなみに、僕は人生でまともにプラモを作ったことがないほど、不器用です。
どうです? 挑戦してみたくなったでしょう?

といった内容を、社内でも話していたら、
「お前、そういうの、ブログで紹介したらいいんじゃないの? いっぱいネタあるだろ」
と言われました。
確かに、僕は、ビジネス誌で10年近く仕事術の取材をしていて、
その方法を試しまくっています。
それによって、ものすごく稼げるようになったかというとえらく微妙ですし、
「まったく合わなかった」という失敗談も多いのですが、
以前と比べ、仕事の効率が上がっているのもまた事実です。
たとえ失敗談でも、少しは仕事効率アップのヒントになるかもしれない…?
ということで、以後、僕の体験談と、辿り着いたやり方「杉山システム」をちょこちょこご紹介致します。
ちょっとはお役に立てれば何よりです!