【ビジネスモデルの参考書・5】ビジネスモデルの企業事例を丁寧に紹介『なぜ、あの会社は儲かるのか』

こんにちは。『ビジネスモデルの参考書』5冊目を紹介いたします。
今回は、竹内が担当です。

図解&事例で学ぶ ビジネスモデルの教科書

先日発売された『図解&事例で学ぶ ビジネスモデルの教科書』
        (監修:池本正純、著:カデナクリエイト、発行:マイナビ)

同じ本が、ある時はものすごく分かりにくく感じ、また、別の時は分かりやすく感じることはよくあります。もちろん、それは、読み手である自分の知識量の変化が原因です。

知識量が増えることによって、「実は丁寧に書かれていてわかりやすい本だったんだ」と気づくこともあれば、逆に、「恐ろしく手抜きの本だったと」と驚くこともあります。

『ビジネスモデルの教科書』執筆準備のために、私が最初に手にとった『なせ、あの会社は儲かるのか?』は、自分にとって、まさに、そんな本でした。もちろん、自分の知識が蓄積されるにしたがって、だんだん良さに気づく前者の例です。

当初、私たちは、本書を「ビジネスモデル関連書籍」のガイド本として利用していました。ビジネスモデルの学説や主だった書籍について非常にコンパクトに紹介されていたからです。実際、この書籍を参考に、ずいぶんと参考書を買い込みました。

なぜ、あの会社は儲かるのか? ビジネスモデル編

本書の著者の山田英夫氏は、早稲田大学ビジネススクールの教授で、専門は競争戦略とビジネスモデルです。コンサルタントとしてシンクタンクでの勤務経験も長く、また企業の監査役も務めています。

本書の1番のセールスポイントは、実は大量の事例紹介にあります。「徹底して事例で説明していく方法を採る」とわざわざまえがきで書いてあるくらいのこだわりです。というのは、人間は、自分が知ってる何かと似てると思ったときに、はじめて腹落ちするからだそうです。極力、事例に日本企業を使っているのもそのためです。

それにしても、ひとつの企業事例が時には10ページ以上に及びます。最初は、一社一社の事例の紹介が長すぎて、「会社のことはよくわかったが、結局、ビジネスモデルはどれだっけ?」という状況に陥ってしまいました。ということで、3分の1くらいのところでとりあえず保留。とりあえず、他の書籍を読むことにしました。

ところが、数冊読んで、再び、本書を開くと、事例が実にわかりやすいことを再発見!確かにまえがきで書かれているように「腹落ち」しました。

本書は経営判断や投資判断をはじめ実践的な目的で書かれた本なので、主要なモデルを、ある程度、理解してることが前提だったわけです。

本書自体がビジネスモデルの入門書ですが、ひょっとしたら「まだビジネスモデルの構築に取り組んだことがない若手ビジネスマン」「学生」などのために、本書の入門書レベルの本が必要かもしれません。「きっとそうに違いありません」と心の中で勝手に方向性を決めた一冊でした。


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takeuchi

takeuchi について

東京生まれ。西武百貨店勤務を経て株式会社カデナクリエイト設立。雑誌、社内報、単行本、webなど媒体問わず執筆。興味の中心は人事制度や社内教育だったが、最近は、インターンシップ、塾、学校など『教育』全般に広がっている。苦手は整理整頓。