第6回 特製チェックリスト

あれは、2007年7月。梅雨明け直後の蒸し暑い真夏日のことでした。
取材で新宿に向かう山手線の中で、なんとなく嫌な予感がして、カバンを開けると…。
「なんで、ICレコーダーがないんだよ…」
ライターにとって、ICレコーダーは必須アイテム。
1時間以上に及ぶ取材内容を誤認しないためには、録音が欠かせません。
これは本当にマズい!
というわけで、電車のドアが開くや否や、数百メートルを猛ダッシュし、ビックカメラで、一番安いICレコーダーを自腹で購入(6000円)。
店員から箱をもぎ取り、全身汗ビショで取材場所に急行しました。
すると、初めてお会いするその相手は、かなりかわいい女の子。
なんでこんな時に限って!
「この人、くさい」と思っただろうな…、はぁ(泣)。
しかし、懲りないもので、今でも、忘れ物をすることが度々。
月2~3回は自宅にケータイか定期入れを置き忘れるし、取材に行く途中、取材ノートや地図などがないことに気づき、内心冷や汗をかいていることも。
草野球の時も、チーム全員分のバットやヘルメット一式を自宅に置き忘れたことがありました。
幸い、今のところ、大問題につながったことはないのですが、そのうち取り返しのつかないことになっても不思議ではないよう気がします。
自分だけの失敗で済めば良いですが、他人に迷惑をかけるのは避けねばなりません。
忘れ物をしないための「杉山システム」をつくろう!
そんな話を会社ですると、さまざまな案が出てきました。
1.「はとぽっぽ」作戦
「雑誌で見たんだけど、自分の持ち物を替え歌にして、外出前に歌うといいらしいよ」と竹内。その方は、童謡の「はとぽっぽ」を歌っているそうです。
「サ・イ・フ、テイキイレ。ケータイデンワにカギトケイ♪」てな感じでしょうか。
が、同居人に話したら、「隣人にビョーキだと思われるから、やめてくれ」。
オレ、声でかいからな…。却下。
2.「オール携帯」作戦
「オレが取材したある人は、毎日全部持ち歩いていたぜ。仕事道具、爪切り、ピック、楽譜…」と箱田。なるほど、必要最小限の荷物を選ぼうとするから忘れるのであって、全部持ち歩けばいいのか。
が、同居人いわく、「そんなに荷物重くしたら、イヤになるに決まってるじゃん」。
一蹴されました。却下します。
3.「忘れ物0」作戦
「なら、ケータイを使えば?」と箱田。iPhoneには、「忘れ物0」というチェックリストアプリがあるそうです。
が、同居人いわく、「家にケータイをよく忘れる人が、ケータイにリストつくって、毎日見るとは思えない」。
それもそうだ。却下ですかね。
4.「アナログリスト」作戦
「それなら、コレは?」と竹内が取り出したのがコレ。
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おお、紙のリストですか。なんたるアナログ。
竹内の場合、旅行用に使っているそうです。
それにしても、ビール、ワイン、焼酎、日本酒を持参した上、さらに酒を買うとは…。
でも、紙が一番良さそうです。
実は6~7年前にも一度つくっているのですが、いつしかその存在を忘れていた(汗)。
忘れ物リストを忘れないための忘れ物リストが必要そうですが、玄関に置いたり、机に貼ったりしておけば、今度こそ見逃すことはないでしょう。
最終的にコレに落ち着きました。
6-2.png
コレは自宅用。「よく忘れる」「忘れたら困る」項目を書いておきました。
なんだか自分の行く末が心配になってきましたが…。
さらには草野球用もつくりました。これで、もう忘れないぞ!
6-3.png
というわけで、さっそく、今朝、自宅用を使ってみました。その結果。
6-4.jpg
腕時計を忘れました。
リストを見ながら用意していたのですが、やや寝坊して、あせっていて、その、うーん、言い訳になりませんね。
帰って、同居人にこう言われました。
「ツールに頼るより、時間に余裕をもって行動した方がいいと思うよ」


カテゴリー: 杉山システム | 投稿日: | 投稿者:
sugiyama

sugiyama について

1975年東京都生まれ。専修大学法学部卒業後入社。現在「月刊BIGtomorrow」「THE21」「週刊東洋経済」に寄稿中。共著に「イノベーションの教科書」「ビジネスモデルの教科書」「クイズ商売脳の鍛え方」、構成に「うまい棒は、なぜうまいのか」等。週末は野球&空手をするが、ビール&肉類大量摂取でプラマイゼロ